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賃貸オーナー・管理会社の方へ入居者が亡くなったときの、
実務の順番。
費用を誰が負担するのか、次の入居者にどこまで伝えるのか。判断が必要になる順に並べています。
実務の順番
- 一、警察の対応が終わるまで待つ
検証中は室内に立ち入れません。この間に、賃貸借契約書と、連帯保証人・緊急連絡先の記載を確認しておきます。発見の連絡が来たばかりの段階は入居者が亡くなったとき(初動)に分けて書きました。
- 二、相続人を確認する
賃借人の地位や室内の動産の扱いは、相続の状況に左右されます。相続人が相続放棄をする可能性がある場合、こちらの判断で室内の物を処分することにはリスクがあります1。
- 三、清掃の見積を項目別で取る
保険金請求や、相続人・連帯保証人への請求の根拠になります。「一式」の見積は請求の場面で通りにくくなります。
- 四、負担の所在を整理する
下記のとおり、契約内容と相続の状況で変わります。
- 五、原状回復と、次の募集での告知を決める
国土交通省のガイドラインを確認したうえで、宅地建物取引業者と相談して決めます2。
費用は誰が負担するのか
ここは一律に決まるものではなく、賃貸借契約の内容と相続の状況によって変わります。実務上検討されるのは、次の3つです。
- 相続人。相続放棄がなされた場合、請求先として想定できなくなります。相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述するものです3。
- 連帯保証人。負担の範囲は契約の定めによります。契約書の該当条項を確認してください。
- 保険。孤独死に対応する少額短期保険などがあります。少額短期保険協会の集計では、2024年度に支払われた保険金の平均は遺品整理が294,131円、原状回復が494,344円でした4。加入している保険の適用範囲と、必要な書類を早い段階で確認してください。
負担の所在は法律上の判断を含みます。具体的な事案については弁護士にご確認ください。当サイトの記載は実務の整理であり、法律上の助言ではありません。
告知について
国土交通省は令和3年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しています2。要点は3つです。
- 賃貸では、概ね3年という目安が示されています。自然死や日常生活の中での不慮の死以外の死、または特殊清掃等が行われた場合について、発覚から概ね3年経過後は原則として告げなくてよいとされています。
- ただし例外があります。事件性、周知性、社会的影響が特に高い事案は、3年を過ぎても告げる必要があるとされています。
- 自然死でも、特殊清掃が行われた場合は対象になり得ます。大規模なリフォームが行われた場合も同様に、判断に重要な影響を及ぼす可能性があるものとして扱われます。
個別の事案でどう判断するかは、ガイドライン本文を確認のうえ、宅地建物取引業者にご相談ください。
業者を選ぶときに、オーナー側が見るところ
入居者のご遺族が選ぶ場合と、見るところが少し違います。
- 項目別の見積を出せるか。請求と保険金請求の両方で根拠になります。
- 損害賠償保険に入っているか。共用部や他の住戸に影響が出たときの備えです。
- 一般廃棄物の許可、または許可業者との提携の明示。不適正な処理が発覚した場合、排出した側の責任が問われる可能性があります5。
- 清掃から原状回復まで通せるか。工程が分かれるほど、空室期間が延びます。
よくあるご質問
次の入居者に、必ず伝えなければいけませんか
国土交通省のガイドラインは、賃貸取引について、自然死や日常生活の中での不慮の死以外の死、または特殊清掃等が行われた場合、発覚から概ね3年が経過した後は原則として告げなくてよいとしています。ただし事件性・周知性・社会的影響が特に高い場合は例外です。また自然死であっても特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、判断に重要な影響を及ぼす可能性があるものとして扱われます。個別の判断は宅地建物取引業者にご確認ください。2
売買の場合も3年ですか
ガイドラインで「概ね3年」という期間が示されているのは賃貸取引についてです。売買取引には同様の期間は明記されていません。売却を検討されている場合は、ガイドライン本文を確認したうえで宅地建物取引業者にご相談ください。2
管理している物件が複数あります。まとめて相談できますか
できます。お問い合わせフォームの「事業者の方」からお送りください。物件数と所在地の市区をお知らせいただければ、対応エリアと受入余力のある会社をお伝えします。
出典
- 法務省 日本法令外国語訳データベースシステム「民法(第915条・第921条)」https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/2058(2026-08-04取得)
- 国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(令和3年10月)」https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00061.html(2026-08-04取得)
- 裁判所「相続の放棄の申述」https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html(2026-08-04取得)
- 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第10回 孤独死現状レポート(2025年12月発行)」https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/kodokusiReport_10th.pdf(2026-08-04取得)
- 名古屋市環境局「片付け業や遺品整理業に伴って出たごみを市の許可なく運ぶと違法です」https://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000158990.html(2026-08-04取得)
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