はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

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コラム/相続と手続き

順番を間違えないために相続放棄を考えているなら、
片付けの前にお読みください。

このページだけは、急いでいる方にも先に読んでいただきたい内容です。

部屋の片付けは、あとからでもやり直せます。相続放棄は、やり直せません。そして、片付けの進め方によっては、放棄ができなくなる可能性があります。

決められる期間は、3か月です

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・相続放棄のどれかを選ぶことになります1。相続放棄をする場合は、家庭裁判所へ申述します2

3か月で判断がつかない場合は、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることができます2。財産や負債の全体が見えていない段階なら、この選択肢があることを知っておいてください。

亡くなってすぐの時期に、この3か月と、部屋の片付けの話が同時に来ます。順番を決めておく必要があるのは、そのためです。

「処分」にあたると、放棄できなくなります

民法は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています1。単純承認とみなされると、以後は相続放棄ができません。プラスの財産も、負債も、すべて引き継ぐことになります。

これが、片付けと相続放棄が交差する場所です。お部屋にある家財・貴金属・現金は、相続財産にあたりうるものです。それを処分する行為が「処分」と評価されるかどうかで、放棄できるかどうかが変わる可能性があります。

ここから先を、当サイトは判断できません

「遺品を片付けると法定単純承認にあたる」と、遺品整理や特殊清掃の場面に当てはめて説明している法務省・裁判所の公的なページは、当サイトの調査では確認できませんでした(2026年8月時点)。条文(民法921条)が存在することは確認していますが、どこまでが「処分」にあたるかは、個別の事情による判断になります。

インターネット上には具体的な線引きを書いた記事が多くありますが、その多くは法律事務所などによる解説です。参考にはなっても、ご自身の事案に当てはまる保証はありません。片付けに手をつける前に、弁護士または司法書士にご確認ください。

片付けを、どの順番に置くか

部屋の片付けそのものには、法律上の期限がありません。急ぐ理由があるとすれば、賃貸で家賃が発生し続けている場合か、においなどで近隣に影響が出ている場合です。

そのうえで、順番はこうなります。

  1. 1 相続放棄をするかどうかを、先に決める

    迷っている段階なら、荷物に手をつけないまま弁護士または司法書士に相談してください。判断に時間が要るなら、家庭裁判所への期間伸長の申立てを検討します2

  2. 2 期限のある届出は、並行して進める

    死亡届は死亡を知った日から7日以内3、相続税の申告は死亡を知った日の翌日から10か月以内です4。これらは片付けと関係なく進みます。手続きの一覧をご覧ください。

  3. 3 方針が決まってから、見積を取る

    見積を取ること自体は、荷物を動かす行為ではありません。写真を撮り、複数社に項目別の見積を頼むところまでは、方針が決まる前でも進められます。

  4. 4 作業に入る

    相続放棄をしないと決めた場合、あるいは専門家の確認が取れた場合に、はじめて搬出に入ります。

3番目まではいつでもやり直せます。4番目だけが、戻せません。

業者に伝えておくこと

相続放棄を検討している段階だと業者に伝えると、進め方が変わります。伝えないまま作業日を決めてしまうと、こちらの都合で止めることになり、キャンセル料の話が出ることがあります。

伝えること相続放棄を検討しているので、専門家の確認が取れるまで搬出には入れません。見積までお願いできますか。

この事情を理解して待てる会社かどうかは、それ自体が判断材料になります。急かす会社であれば、その時点で分かったことになります。

あわせて、作業中に通帳・印鑑・現金・貴金属が出てきた場合にどう扱うかも、着手前に決めておいてください。「見つかったらどうしますか」という質問に、手順で答えられる会社を選んでください。

よくあるご質問

家賃が発生し続けています。急いで片付けたいのですが

家賃の負担は切実ですが、順番を入れ替える理由にはなりません。相続放棄ができなくなった場合に引き継ぐことになる負債と比べて、どちらが大きいかは事案によります。賃貸借契約の解約も相続に関わる行為になりうるため、解約の手続きに応じる前に弁護士または司法書士にご確認ください。

写真や手紙だけを持ち帰るのも、まずいですか

当サイトでは判断できません。財産的な価値がほとんどない物であっても、何が「処分」にあたるかは個別の事情によります。放棄を検討している段階では、持ち出す前に専門家にご確認ください。1

誰に相談すればいいですか

相続放棄の申述は家庭裁判所に対して行うため、手続きの流れは裁判所の案内で確認できます。ご自身の事案で何が「処分」にあたるかの判断は、弁護士または司法書士にご相談ください。費用が心配な場合は、法テラスの無料相談を利用できる場合があります。2

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出典

  1. 法務省 日本法令外国語訳データベースシステム「民法(第915条・第921条)」https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/2058(2026-08-04取得)
  2. 裁判所「相続の放棄の申述」https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html(2026-08-04取得)
  3. 法務省「死亡届」https://www.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-4.html(2026-08-04取得)
  4. 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm(2026-08-04取得)

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