特殊清掃の値段はいくらくらいですか
公的機関が示した相場はありません。料金表を公開している全国22社を集計すると、複数社の金額が重なる帯は1R・1Kで5万〜15万円、戸建てで25万〜60万円でした。ただし同じ1R・1Kでも、公開されている下限は3万円から25万円まで開いています。帯は目安ではなく、見積書の行を読むための物差しとしてお使いください。
特殊清掃の費用は、部屋の広さだけでなく、汚染の深さと頼む作業で変わります。清掃・消臭だけか、家財の整理や床の復旧まで必要かを分けて見ます。
このページでは、全国22社の公開料金をもとに、間取り別・作業別の金額と見積もりの確認点を整理しています。掲載額に含まれる作業は会社ごとに異なります。
このページは清掃を依頼した場合の総額と内訳を扱います。訪問や調査だけで費用がかかるかは、特殊清掃の見積は無料?出張費・調査費の確認をご覧ください。
| 間取り | 特殊清掃のみ | 遺品整理まで頼む場合 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 5万〜15万円 | 9万〜18万円 |
| 1DK・1LDK | 8万〜25万円 | 11万〜30万円 |
| 2DK・2LDK | 12万〜35万円 | 15万〜40万円 |
| 3DK・3LDK | 18万〜50万円 | 21万〜60万円 |
| 4LDK以上・戸建て | 25万〜60万円 | 28万〜70万円 |
この帯は、料金表を公開している全国22社の金額を集計したものです。帯より安い会社も、高い会社もあります。同じ1R・1Kでも、公開されている下限は3万円から25万円まで開いていました。
金額が動く理由も、各社が公開しています。
とくに1つ目です。時間が経つほど、作業の範囲そのものが広がります。
この3つが分かっていれば、ご自分の部屋が帯のどちら寄りになりそうかまでは、見積を受け取る前に見当がつきます。あくまで当サイトが上の3つの要因から整理したもので、金額を予測するものではありません。
| 確かめること | 帯の下寄りになりやすい | 帯の上寄り・帯を超えやすい |
|---|---|---|
| 発見までの日数 | 数日以内 | 2週間以上 |
| 汚損の深さ | 表面で収まっている | 床材の下・下地まで届いている |
| 床の仕上げ | フローリング1室分 | 畳・カーペットが複数室 |
| 搬出経路 | 1階、または エレベーターあり | 階段のみの上層階、通路が狭い |
| 頼む範囲 | 特殊清掃のみ | 遺品整理・原状回復まで |
左列の3つは、上に挙げた各社の公開情報にもとづく変動要因です1,2,3。表そのものは当サイトが読み取りやすく並べ直したもので、測定値でも予測値でもありません。
当サイトが確認した公的資料には、特殊清掃の料金相場は示されていません。
行政文書で確認できるのは、総務省の調査報告書の表の注に「自殺や孤独死などが発生した住居において、原状回復のために消臭・消毒や清掃を行うサービス」という記述があるだけで4、金額の目安は示されていません。
同じ報告書は、遺品整理サービスの料金について「公定や公認の仕組みは存在しない」「依頼しようとする者の立場からは、料金相場の見当をつけるのは容易ではない」という趣旨を述べています4。相場が分かりにくいのは、お読みになる方の側の問題ではありません。
ですので当サイトが出せるのは、各社が公開している料金表を集めた「帯」までです。「相場感が無い」という意味ではありません。読者の側に検証する手立てが無い数字を、当サイトが作らないという意味です。
そのうえで、使えるものは全部出します
帯と、作業ごとの単価と、検算の手順。この3つがあれば、受け取った見積書が妥当かどうかを、ご自身で判断できます。
金額を当てにいくのではなく、目の前の見積を確かめるほうに使ってください。
帯を見て、いちばん戸惑うのがここだと思います。同じ「1R・1K」で、公開されている下限が3万円の会社と25万円の会社がある。値段の付け方が違うのではなく、「特殊清掃」と呼んでいる作業の範囲が違います。
この分野には業法がありません。名乗るための条件も、含めるべき作業の決まりもないため、どこまでを1つの見積に入れるかは会社ごとに決まっています(特殊清掃とは何か)。
実際に分かれるのは、おおむね次の4つの境目です。
1床材を剥がすかどうか
いちばん大きい境目です。表面の清掃と消臭で終える見積と、床材を剥がして下地まで処理する見積では、作業も日数も別物になります。ブルークリーンが変動要因に挙げている「汚染の深さ」は、実務上はこの一線を指します2。
2遺品の搬出が入っているかどうか
清掃だけの見積と、家財の搬出・処分まで含む見積は、別の工程です。帯の表で「特殊清掃のみ」と「遺品整理まで頼む場合」を分けているのは、この差が大きいためです。順番を間違えると見積の出し直しになります(清掃のあとの遺品整理)。
3脱臭が何日分か
オゾン脱臭は1日あたりで課金されるのが一般的です5,6。1日で見ているか3日で見ているかは、見積書に日数が書かれていなければ分かりません。
4原状回復まで入っているかどうか
クロスの張り替えや床の張り替えは、清掃ではなく工事です。別見積になることが多く、賃貸であれば誰が負担するのかという話にもなります(原状回復の負担区分)。
安い見積を見たときに確かめるのは、割引の理由ではありません
「やらないことになっている作業は何か」のほうです。
3万円の見積が不当だという話ではありません。表面で収まる状態なら、それで足りることがあります。確かめるべきなのは、その見積が想定している状態と、実際のお部屋の状態が合っているかです。合っていなければ、作業の途中で追加になります。
総額だけを見ても、妥当かどうかは判断できません。各社が公開している作業ごとの単価を並べます5,6,7。
| 見積書に並ぶ項目 | 各社が公開している単価の幅 |
|---|---|
| 汚損箇所の除去・清掃 | 3万 |
| 消臭剤・除菌剤の散布 | 1万 |
| オゾン脱臭(1日あたり) | 1万 |
| 汚染した畳の撤去(1枚) | 2,500 |
| 汚染した布団・マットレスの撤去 | 5,000 |
| 床材・壁材の撤去 | 3万 |
| 床下の消毒・防臭処理 | 2.5万 |
| 浴室の清掃 | 3万 |
| 害虫の駆除 | 1万 |
| クロス張り替え(1㎡あたり) | 1,100円 |
単価が分かっていれば、受け取った見積書の各行が高いか安いかを、ご自身で確かめられます。
もうひとつ、この表で見ていただきたいのが単位です。上の行は、すべてが同じ数え方ではありません。
見積書で確かめるのは、金額の前に数量です。「オゾン脱臭 50,000円」とだけ書かれていれば、それが1日分なのか5日分なのかが分かりません。数量が書かれていない行は、あとから日数や枚数が増えたときに、増えた分を検証できない行になります。
とくにオゾン脱臭は、作業中に部屋へ入れない時間が生じます。日数は金額だけでなく、生活の予定にも関わります(作業中、部屋に入れない理由)。脱臭が「どの方式」を指しているのかを見分ける方法は脱臭方式の記事に、消毒と消臭が別の作業であることは消毒と消臭の記事にまとめました。
順番はこうです。総額を見るのは最後です。
1行が分かれているかを見る
「特殊清掃一式 ◯◯円」で終わっているなら、そこで止めてください。誰にも妥当性を判断できません。項目ごとに分かれていれば、後で金額が動いたときにどの行が動いたのかを確かめられます(「一式」の見積書)。あわせて、その金額が税込みかどうかと「別途実費」の行の有無も見てください(その見積は税込みですか)。
2上の単価表と、行を突き合わせる
床材の撤去、オゾン脱臭の日数、畳の枚数。1行ずつ見ると、総額では見えないものが見えます。幅から大きく外れる行があれば、そこだけ理由を聞いてください。
3数量と単位が書かれているかを見る
「1日あたり」「1枚あたり」「1㎡あたり」の行に、数量が入っているかどうかです。単位が消えている行は、あとから増えても検証できません。
4「含まれていないもの」を聞く
含まれるものは見積書に書いてあります。トラブルになるのは、書いていない側です。消費者庁は、定額パックと表示しながら別名目で高額請求していた事業者について注意喚起を公表しています8(「定額パック」の広告と行政処分)。
5追加が出る条件を、書面にしてもらう
国民生活センターには、見積より高い金額を後から請求される相談が繰り返し寄せられています9,10。「追加が出るとしたら、どういう場合に、いくらくらいですか」と聞き、その答えを残してください。次の項に、聞く内容をそのまま並べています。
見積書
これは避ける特殊清掃一式 ◯◯◯,◯◯◯円
単価表は、見るだけでは使えません。実際に積み上げてみると、帯との関係が分かります。
以下は、上の単価表の幅をそのまま足し合わせた組み立て例です。実在の見積書ではありませんし、金額の予測でもありません。「この状態なら、見積書にどの行が並び、幅としてどのあたりに落ちるか」を見るためのものです。
例1 1R・発見が早く、汚損が表面で収まった場合
| 見積書に並ぶ行 | 単価表の幅 | 数量 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 汚損箇所の除去・清掃 | 3万〜10万円 | 一式 | 3万〜10万円 |
| 消臭剤・除菌剤の散布 | 1万〜3.5万円 | 一式 | 1万〜3.5万円 |
| オゾン脱臭 | 1万〜5万円(1日) | 2日 | 2万〜10万円 |
| 布団・マットレスの撤去 | 5,000〜18,000円 | 1点 | 5,000〜18,000円 |
| 積み上げると | 6.5万〜25.3万円 |
1R・1Kの帯は5万〜15万円です。下限側を積むと帯の中に収まり、上限側を積むと帯を超えます。これは帯が間違っているのではなく、帯が「複数社の金額が重なる範囲」であって「各社の上限を足したもの」ではないためです。
例2 1R・発見が遅く、床下まで達した場合
| 見積書に並ぶ行 | 単価表の幅 | 数量 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 汚損箇所の除去・清掃 | 3万〜10万円 | 一式 | 3万〜10万円 |
| 汚染した畳の撤去 | 2,500〜11,000円(1枚) | 4枚 | 1万〜4.4万円 |
| 床材・壁材の撤去 | 3万〜15万円 | 一式 | 3万〜15万円 |
| 床下の消毒・防臭処理 | 2.5万〜20万円 | 一式 | 2.5万〜20万円 |
| 消臭剤・除菌剤の散布 | 1万〜3.5万円 | 一式 | 1万〜3.5万円 |
| オゾン脱臭 | 1万〜5万円(1日) | 3日 | 3万〜15万円 |
| 害虫の駆除 | 1万〜5万円 | 一式 | 1万〜5万円 |
| 積み上げると | 14.5万〜72.9万円 |
いずれも上の単価表の幅を足し合わせた計算です。実在の見積書ではありません。単価の出典は各社の公開料金表5,6,7。
例2は、下限側を積んだだけで1R・1Kの帯の上端に届きます。床材の撤去と床下の処理という2行が入るだけで、こうなります。
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。「帯に収まっているか」は、見積の妥当性の判定になりません。帯を超えている見積が不当とは限らず、帯の中の見積が適正とも限りません。判定できるのは、並んでいる行が、お部屋の実際の状態と合っているかだけです。
2社の見積で金額が倍違ったときも、同じ見方をします
比べるのは総額ではなく、行の構成です。
安いほうに床材撤去の行が無く、高いほうにある場合、2社は違う作業を見積もっています。どちらが正しいかは、「どこまで染みているか、どうやって確かめましたか」という質問への答えで判断します(においが消えないとき)。工程には順番があり、撤去を飛ばした脱臭は戻ります(工程の順番)。
この分野の見積には、開けてみないと確定しない部分があります。床材を剥がすまで、下地まで達しているかは分かりません。それ自体は避けられないことです。
避けられるのは、その不確定な部分を、口頭のまま作業に入ることのほうです。国民生活センターに寄せられている相談は、この形に集中しています。
ですので、契約の前に次の4つを聞いて、答えを書面に残してもらってください。そのまま読み上げていただいて構いません。
聞くこと1床下まで達していた場合、どの行がいくら増えますか。
いちばん起きやすい追加です。増える行の名前と、金額の幅を先に出してもらいます。「そのときになってみないと分かりません」で終わらせず、幅で構わないので数字を出してもらってください。
聞くこと2脱臭が予定日数で終わらなかった場合、1日いくら増えますか。
オゾン脱臭は1日あたりの課金が一般的です5,6。延長の単価は、最初の見積の単価と同じかどうかまで確かめてください。
聞くこと3処分する家財が増えた場合、どう計算しますか。
量で計算するのか、点数なのか、トラックの台数なのか。計算の方法が決まっていれば、増えても検証できます。家財を運ぶには市町村ごとの許可が要ります。自社に許可が無い場合は、どの許可業者に委託するのかもあわせて聞いてください(無許可の回収業者と、排出者責任)。
聞くこと4キャンセルはいつまで無償で、以降はいくらですか。
国民生活センターには、高額なキャンセル料を請求された相談も寄せられています9。日程を仮で押さえる場合は、とくに先に確認してください。
その場で契約しないでください
訪問を受けてその場で契約した場合、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば理由なく解除できます12。役務の提供を受けていても対価は請求できず、原状回復を無償で請求でき、これに反する特約は無効です13。
詳しくは契約したあとの8日間に書いています。ただ、そもそも一晩置いて構いません。急いで決めなければならない理由は、こちら側にはありません。
においが戻ったときの取り決め(期間・判定の方法・再施工の範囲・費用の負担者)を書面にする方法は、保証の書面チェックリストにまとめています。床や下地の張り替えまで進む場合は、金額しだいで建設業の許可の話も出てきます(建設業許可の記事)。
金額が出てから慌てるより、先に見ておいたほうがよいものが4つあります。
4つ目について補足します。「この工程だけ頼めますか」と聞いて構いません。受ける範囲は会社によって違いますが、においや衛生の問題が出ている部分を先に処理し、遺品の仕分けは落ち着いてから、という分け方は実際に行われています。工程には順番があるので、分けられるところと分けられないところがあります(工程の順番)。
保険については、平均を上回る支払いの記録もあります。同じ集計では、原状回復の最大損害額として7,564,673円という数字が載っています14。加入していたかどうかを先に確かめる価値はあります。賃貸借契約書と保険証券、保険会社からの郵便物を探してください。
相続の話がまとまっていなくても、見積は取れます
見積を取ることは、財産の処分ではありません。金額の見通しがあるほうが、相続の話も進みます(まとまらない間に何が進むか)。
ただし、費用を立て替えたり、荷物を持ち出したりする前には、相続放棄を検討していないかを確かめてください。相続財産の処分と評価される可能性があります(相続放棄と部屋の片付け)。
依頼から支払いまでの全体の流れは依頼から完了までの流れに、日数の考え方は日数の記事にまとめました。対応会社を探す方は地域の特殊清掃ランキングをご覧ください。
公的機関が示した相場はありません。料金表を公開している全国22社を集計すると、複数社の金額が重なる帯は1R・1Kで5万〜15万円、戸建てで25万〜60万円でした。ただし同じ1R・1Kでも、公開されている下限は3万円から25万円まで開いています。帯は目安ではなく、見積書の行を読むための物差しとしてお使いください。
一つの数字では書けません。公的機関が特殊清掃の相場を示した資料が存在しないためです。当サイトが出しているのは、料金表を公開している会社の金額を集めた「帯」です。同じ1R・1Kでも、公開されている下限は3万円から25万円まで開いていました。帯の中に収まっているかどうかより、見積書の行が分かれているかを見てください。
発見までの日数、汚損がどこまで達しているか、搬出のしやすさで作業量が変わるためです。リスクベネフィットは遺体が長く放置されている場合に清掃費用が高くなるとしており、ブルークリーンは変動要因として汚染の深さを挙げています。同じ間取りでも中身が違います。1,2
高いこと自体は問題ではありません。床下まで汚損が及んでいれば帯を上回ります。各社が公開している単価をそのまま積み上げるだけでも、床材の撤去と床下処理が入った時点で1Rの帯を超えます。確かめるべきなのは金額ではなく、その金額の内訳が行で分かれているか、追加が出る条件が示されているかです。2
安いこと自体も問題ではありません。ただし、床材の撤去や床下の処理が必要な状態なのにその行が無い場合、作業の途中で追加になります。安い見積を受け取ったときに確かめるのは、割引の理由ではなく、やらないことになっている作業が何かのほうです。
項目ごとに分けて出してもらえるかを、そのまま聞いて構いません。応じる会社が普通です。渋る場合は候補から外して差し支えありません。分けてもらえない見積書は、作業のあとで金額が動いたときに、どこが動いたのかを確かめる手がかりが残りません。
亡くなった方の口座が凍結されていても、遺産分割の前に単独で払い戻せる制度があります(金融機関ごとに150万円が上限)。賃貸であれば家財保険に遺品整理費用の補償が付いていることもあります。作業の範囲を急ぐものと後回しにできるものに分けて見積を取る方法もあります。
このページの金額は、料金表を公開している全国22社の集計です。市ごとのごみの手数料・自己搬入できる施設・その市で公開されている事例は、市ごとのページにまとめています。同じ間取りでも、家財をご自身で出せるかどうかで見積は変わります。
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