はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

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費用が心配なとき相場は出せません。
代わりに、検算の仕方を。

いくらかかるのかが分からないまま、見積だけが手元にある。あるいは、頼む前に見当をつけておきたい。当サイトは「相場は◯万円」という書き方をしません。理由と、その代わりに使えるものを書きます。

机に広げた書類と電卓、ルーペ

なぜ相場を書かないのか

公的機関が特殊清掃の相場を示した資料が、存在しないためです。

行政文書で確認できるのは、総務省の調査報告書の表の注に「自殺や孤独死などが発生した住居において、原状回復のために消臭・消毒や清掃を行うサービス」という記述があるだけで1、金額の目安は示されていません。

ですので当サイトが出せるのは、各社が公開している料金表を集めた「帯」までです。「相場感が無い」という意味ではありません。読者の側に検証する手立てが無い数字を、当サイトが作らないという意味です。

そのうえで、使えるものは全部出します

帯と、作業ごとの単価と、検算の手順。この3つがあれば、受け取った見積書が妥当かどうかを、ご自身で判断できます。

金額を当てにいくのではなく、目の前の見積を確かめるほうに使ってください。

公開されている金額の帯

間取り特殊清掃のみ遺品整理まで頼む場合
1R・1K5万〜15万円9万〜18万円
1DK・1LDK8万〜25万円11万〜30万円
2DK・2LDK12万〜35万円15万〜40万円
3DK・3LDK18万〜50万円21万〜60万円
4LDK以上・戸建て25万〜60万円28万〜70万円
全国22社が公開している料金表を集計し、複数社の金額が重なる帯を示しています。この帯より安い会社も、高い会社もあります。同じ1R・1Kでも、公開されている下限は3万円から25万円まで開いていました。「相場は◯万円」と一つの数字で書けるだけの実態がないため、帯で示しています。汚損が床下まで及んでいる場合や、発見までの日数が長い場合は、この帯を上回ります。

この帯は、料金表を公開している全国22社の金額を集計したものです。帯より安い会社も、高い会社もあります。同じ1R・1Kでも、公開されている下限は3万円から25万円まで開いていました。

金額が動く理由も、各社が公開しています。

  • 発見までの日数。リスクベネフィットは「遺体が長く放置されている場合は清掃費用が高くなる」としています2
  • 汚損がどこまで達しているか。ブルークリーンは変動要因として「汚染の深さ(床下・壁下地への浸透)」を挙げています3
  • 搬出のしやすさ。階数やエレベーターの有無、搬出経路が費用に影響すると明記している会社があります4

とくに1つ目です。時間が経つほど、作業の範囲そのものが広がります。

時間の経過と、手を入れる範囲の広がり 発見から数日なら表面の清掃と消毒で収まるが、1〜2週間で床材の撤去と消臭処理、1か月以上で下地や壁の内側と害虫の対応、数か月では躯体の処理と原状回復まで範囲が広がる。 発見から数日 表面の清掃・消毒 1〜2週間 床材の撤去・消臭処理 1か月以上 下地・壁の内側・害虫の対応 数か月 躯体の処理・原状回復・リフォーム 手を入れる範囲
経過した日数が長いほど、手を入れる範囲は表面から建物の内側へ広がります。金額は部屋の状態によって変わるため、当サイトでは相場としての数字を出していません。

見積書の行ごとの単価

総額だけを見ても、妥当かどうかは判断できません。各社が公開している作業ごとの単価を並べます5,6,7

見積書に並ぶ項目各社が公開している単価の幅
汚損箇所の除去・清掃3万〜10万円
消臭剤・除菌剤の散布1万〜3.5万円
オゾン脱臭(1日あたり)1万〜5万円
汚染した畳の撤去(1枚)2,500〜11,000円
汚染した布団・マットレスの撤去5,000〜18,000円
床材・壁材の撤去3万〜15万円
床下の消毒・防臭処理2.5万〜20万円
浴室の清掃3万〜13万円
害虫の駆除1万〜5万円
クロス張り替え(1㎡あたり)1,100円〜
料金表を公開している複数社の単価を集めたものです。金額そのものより、受け取った見積書がこの粒度で分かれているかを見てください。オゾン脱臭が「1日あたり」で書かれていれば、何日稼働させる見込みなのかも確認できます。

単価が分かっていれば、受け取った見積書の各行が高いか安いかを、ご自身で確かめられます。

とくにオゾン脱臭は「1日あたり」で課金されるのが一般的なので5,6、何日稼働させる見込みなのかを聞いてください。作業中は部屋に入れないので、日数は生活の予定にも関わります(作業中、部屋に入れない理由)。

受け取った見積を検算する

順番はこうです。総額を見るのは最後です。

1行が分かれているかを見る

「特殊清掃一式 ◯◯円」で終わっているなら、そこで止めてください。誰にも妥当性を判断できません。項目ごとに分かれていれば、後で金額が動いたときにどの行が動いたのかを確かめられます(「一式」の見積書)。

2上の単価表と、行を突き合わせる

床材の撤去、オゾン脱臭の日数、畳の枚数。1行ずつ見ると、総額では見えないものが見えます。幅から大きく外れる行があれば、そこだけ理由を聞いてください。

3「含まれていないもの」を聞く

含まれるものは見積書に書いてあります。トラブルになるのは、書いていない側です。消費者庁は、定額パックと表示しながら別名目で高額請求していた事業者について注意喚起を公表しています8「定額パック」の広告と行政処分)。

4追加が出る条件を、書面にしてもらう

国民生活センターには、見積より高い金額を後から請求される相談が繰り返し寄せられています9,10「追加が出るとしたら、どういう場合に、いくらくらいですか」と聞き、その答えを残してください。

見積書

  1. 1消臭・除菌薬剤やオゾン処理など。範囲と回数が書かれているか— 円
  2. 2汚損部の撤去床材・壁材をどこまで剥がすか— 円
  3. 3遺品の仕分け・搬出人数と日数、貴重品の扱い— 円
  4. 4廃棄物の処分誰がどの許可で運ぶか— 円
  5. 5害虫の対応必要な場合のみ。不要なら行ごと無い— 円
  6. 6原状回復・リフォーム別見積になることが多い— 円

これは避ける特殊清掃一式 ◯◯◯,◯◯◯円

総額より先に、項目が何行あるかを見てください。行が分かれていれば、あとから金額が動いたときに、どこが増えたのかを確かめられます。「一式」の1行だけだと、それができません。

払えないかもしれないとき

金額が出てから慌てるより、先に見ておいたほうがよいものが4つあります。

  • 凍結された口座から出せる分。遺産分割の前でも、金融機関ごとに150万円を上限として単独で払い戻せる制度があります(凍結された口座から出せる分)。ただし相続放棄を考えているなら触らないでください
  • 保険。賃貸であれば家財保険に遺品整理費用や原状回復費用の補償が付いていることがあります。少額短期保険協会の集計では、2024年度に支払われた保険金の平均は遺品整理が294,131円、原状回復が315,510円でした11孤独死保険の中身
  • 誰が負担するのか。相続人・連帯保証人・貸主のどこに落ちるかで話が変わります(費用は誰が払うのか
  • 範囲を分ける。においや衛生で急ぐ工程と、後回しにできる工程を分けて見積を取る方法があります。全部を一度に頼まなければいけない決まりはありません

その場で契約しないでください

訪問を受けてその場で契約した場合、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば理由なく解除できます12。役務の提供を受けていても対価は請求できず、原状回復を無償で請求でき、これに反する特約は無効です13

詳しくは契約したあとの8日間に書いています。

よくあるご質問

結局、いくらかかりますか

一つの数字では書けません。公的機関が特殊清掃の相場を示した資料が存在しないためです。当サイトが出しているのは、料金表を公開している会社の金額を集めた「帯」です。同じ1R・1Kでも、公開されている下限は3万円から25万円まで開いていました。帯の中に収まっているかどうかより、見積書の行が分かれているかを見てください。

なぜ会社によってこんなに違うのですか

発見までの日数、汚損がどこまで達しているか、搬出のしやすさで作業量が変わるためです。リスクベネフィットは遺体が長く放置されている場合に清掃費用が高くなるとしており、ブルークリーンは変動要因として汚染の深さを挙げています。同じ間取りでも中身が違います。2,3

見積が帯より高いのですが

高いこと自体は問題ではありません。床下まで汚損が及んでいれば帯を上回ります。確かめるべきなのは金額ではなく、その金額の内訳が行で分かれているか、追加が出る条件が示されているかです。3

払えない場合はどうすればいいですか

亡くなった方の口座が凍結されていても、遺産分割の前に単独で払い戻せる制度があります(金融機関ごとに150万円が上限)。賃貸であれば家財保険に遺品整理費用の補償が付いていることもあります。作業の範囲を急ぐものと後回しにできるものに分けて見積を取る方法もあります。

出典

  1. 総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書(令和2年3月)」https://www.soumu.go.jp/main_content/000675388.pdf(2026-08-05取得)
  2. 株式会社リスクベネフィット「特殊清掃の料金実例」https://www.riskbenefit.co.jp/topics/tokusyuseisou/503.html(2026-08-04取得)
  3. ブルークリーン株式会社「特殊清掃の料金・費用(パッケージプラン参考価格)」https://b-clean.jp/owned/fee/(2026-08-04取得)
  4. 遺品整理の相談所「特殊清掃の費用相場」https://ihinseiri-soudansho.co.jp/column/tokushu-seisou/cleaning-cost/(2026-08-04取得)
  5. マインドカンパニー「特殊清掃 作業別料金表」https://www.mind-company.jp/body/price(2026-08-04取得)
  6. エバーグリーン「特殊清掃 料金表」https://evergreen-is.com/price/(2026-08-04取得)
  7. 株式会社LIFULL senior(みんなの遺品整理)「特殊清掃の費用相場」https://m-ihinseiri.jp/article-1/tokusyu/cost/(2026-08-04取得)
  8. 消費者庁「ウェブサイト上で「お得な定額パック 定額パック料金は、全てが込み込みの料金」などの広告・表示をして不用品・粗大ごみ回収サービスを提供する事業者に関する注意喚起(令和4年6月1日)」https://www.caa.go.jp/notice/entry/028878/(2026-08-12取得)
  9. 独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル(2018年7月19日公表)」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html(2026-08-04取得)
  10. 独立行政法人国民生活センター「見守り新鮮情報 第525号(2025年10月30日)」https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen525.html(2026-08-04取得)
  11. 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第10回 孤独死現状レポート(2025年12月発行)」https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/kodokusiReport_10th.pdf(2026-08-04取得)
  12. 消費者庁「訪問販売(特定商取引法ガイド)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/(2026-08-04取得)
  13. e-Gov法令検索(デジタル庁)「特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第9条(訪問販売における契約の申込みの撤回等)」https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057(2026-08-09取得)

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