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状況から探す
住まいに物が積み上がってしまったとき片付けの前に、
知っておいてほしいこと。
ご家族のことで困っている方、近所のことで困っている方、そしてご自身のことで読まれている方。どの立場の方にも当てはまるように書きます。
行政がこの問題をどう扱っているかを知ると、打つ手が変わります。意外に思われるかもしれませんが、名古屋市の条例は「片付けさせる」より先に「支援する」と書いています。
行政は、この状態を何と呼んでいるか
先にお伝えしておきたいことがあります。名古屋市には、この問題を扱う条例があります。ただしその条例は、全16条を通じて一度も「ごみ屋敷」という言葉を使っていません。
この条例は、市民が居住する建物等に物品等が堆積され、又は放置されることにより発生する不良な状態を解消するための支援及び措置に関し必要な事項を定めることにより、市民の安全で快適な生活環境を確保することを目的とする。
名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例 第1条1
使われているのは「不良な状態」「堆積物」「堆積者」という言葉です。環境省と総務省の報告書も、地の文では必ずかぎ括弧を付けて距離を取っています。
当サイトも、それに合わせます。ここを読んでいるのがご本人かもしれないからです。
背景にあることが、行政の調査で分かっています
総務省行政評価局が、30の市区で実際に起きた181事例を調べています。
今回調査した181事例のうち、堆積者本人や同居家族が健康面又は経済面の課題を抱える事例は約7割(131事例)あり、支援が必要と考えられる事例が多い状況がみられた。
総務省行政評価局「『ごみ屋敷』対策に関する調査 結果報告書」2
内訳は、介護の必要、精神疾患・障害、身体疾患・障害、認知症、アルコール関連の問題、経済的困窮など。多くが複数の課題を同時に抱えていました2。
この数字の読み方に、注意書きが付いています
そのうえで、総務省はこの状態をこう位置づけています。
「ごみ屋敷」の状態であることは、居住者が支援を必要としている状況にあることを把握する端緒の一つと捉えることもできる。
同報告書2
問題の証拠ではなく、支援の入口。国がそう書いています。
名古屋市の条例は、支援を先に置いています
条例の並び順に意味があります。第7条が支援、第8条が指導・勧告、第9条が命令、第10条が行政代執行。支援が最初に来ています。
市長は、建物等の居住者が自ら当該建物等における不良な状態を解消することが困難であると認めるときは、当該居住者に対し、経費の支出を要する支援を行うことができる。
同条例 第7条第2項1
市の説明資料も、こう書いています。
不良な状態となってしまう背景には、居住者が様々な生活上の課題を抱えていることが少なくありません。堆積した物品等を撤去するだけでなく、居住者の課題に配慮した適切な支援を行い、居住者の抱える課題を解決することが、「ごみ屋敷」問題の根本的な解決には必要です。
名古屋市環境局「対策について」3
名古屋市で相談できる先
相談先を間違えると「対象外です」と言われて終わってしまうことがあります。一般家庭からの悪臭や騒音は公害の規制対象ではありませんが、住居の堆積物には専用の窓口があります。
堆積物のこと名古屋市 環境局 事業部 作業課
住居の不良堆積物対策の推進担当(市役所本庁舎4階)。052-972-22883
高齢のご家族のこといきいき支援センター(地域包括支援センター)
主任介護支援専門員・社会福祉士・保健師などがチームで対応します。相談は無料です。権利擁護に関する相談も受けています4。お住まいの区の担当センターは市のページで確認できます。
暮らしとお金のこと名古屋市 仕事・暮らし自立サポートセンター
市内3か所。名駅 052-446-7333/金山 052-684-8131/大曽根 052-508-9611。生活保護を受けていない方が対象です5。
ごみ出しが難しいなごやか収集
65歳以上の方や要介護・要支援の方などで、ご自身でごみを持ち出せない世帯には、市が玄関先まで収集に来る制度があります6。各区の環境事業所へお申し込みください。
片付けは、解決の一部であって全部ではありません
これは清掃を扱う当サイトが書くべきことだと思うので、書きます。
環境省の報告書には、自治体自身の次の見方が収録されています。
当事者の方々が抱える心身の課題や経済的困窮、地域からの孤立など様々な原因があり、その原因を解決しなければ、強制的に堆積物を撤去しても再発してしまい、根本的な解決には至らないため、当事者の福祉的な支援を優先
環境省 令和6年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書 収録の自治体回答7
片付けを頼めば部屋は片付きます。ただ、それだけで終わることは多くありません。先に、あるいは同時に、相談窓口につながっておくほうが結果的に早いことがあります。
厚生労働省のマニュアルには、支援する側の姿勢としてこう書かれています。
単に関わりを拒否する者という理解にとどまらず、そこに至った背景、生活歴、パーソナリティや生き辛さへの理解に基づき対応します。
厚生労働省老健局「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」8
なお、いわゆるセルフネグレクトは高齢者虐待防止法の対象外とされています。他者からの虐待行為ではないためです8。それでも国は、市町村や地域包括支援センターに積極的な対応を求めています。
会社に頼むときに確かめること
頼む場合、確かめることは亡くなった後のお部屋と同じです。
- 家財の運搬を、どの経路でやるか。自社の一般廃棄物収集運搬業の許可か、許可業者への委託か、買取か9。許可を自分で確かめる方法をご覧ください。
- 見積が項目別に出るか。「一式」だと、あとから金額が動いたときに確かめられません。「一式」の見積書に書いています。
- 残すものをどう伝えるか。紙に書いて渡してください。ご本人が「捨てないでほしい」と言っているものは、必ず先に共有します。
国民生活センターに寄せられた不用品回収サービスの相談は、2018年度の1,354件から2021年度の2,231件へと増えています10。争点の中心は許可の有無です。
よくあるご質問
本人が片付けを嫌がっています。強制的に片付けてもらえませんか
ご家族の依頼で会社が入ることはできますが、住んでいるご本人の同意がないまま進めると、その後の関係が壊れます。行政の調査でも、強制的に堆積物を撤去しても再発してしまい根本的な解決には至らない、という自治体の見方が報告されています。まずは相談窓口に入ってもらうほうが、結果として早いことがあります。7
近所の家のことで困っています。通報すると本人に迷惑がかかりませんか
名古屋市の条例は、措置より先に支援を置いています。市が最初に行うのは情報の提供や助言で、命令や行政代執行は勧告に従わない場合の最終手段です。命令と代執行はいずれも審議会の意見を聴くことが必要とされており、市長の一存では動きません。1
罰則はありますか
名古屋市の条例では、立入調査を拒んだ場合に3万円以下、命令に違反した場合に5万円以下の過料が定められています。過料は秩序罰で、罰金や科料とは異なります。1
次に読むページ
出典
- 名古屋市「名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例(平成30年4月1日施行)」https://www.city.nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/570/jyourei.pdf(2026-08-09取得)
- 総務省行政評価局「「ごみ屋敷」対策に関する調査 結果報告書(令和6年8月)」https://www.soumu.go.jp/main_content/000964139.pdf(2026-08-09取得)
- 名古屋市環境局「住居の堆積物による不良な状態への対策について」https://www.city.nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/570/taisaku.pdf(2026-08-09取得)
- 名古屋市健康福祉局「いきいき支援センター(地域包括支援センター)」https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/koureisha/1016496/1016502.html(2026-08-09取得)
- 名古屋市健康福祉局「名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンター」https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/fukushi/1016735/1016739.html(2026-08-09取得)
- 名古屋市環境局「なごやか収集(ふれあい収集)」https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012183/1012252.html(2026-08-09取得)
- 環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課「令和6年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書(令和7年3月)」https://www.env.go.jp/content/000303867.pdf(2026-08-09取得)
- 厚生労働省老健局「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(令和7年3月)」https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/001452977.pdf(2026-08-09取得)
- 法務省 日本法令外国語訳データベースシステム「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第2条・第7条)」https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/4529(2026-08-04取得)
- 独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル──市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!(2022年11月2日公表)」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html(2026-08-04取得)
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