はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

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自分で片付けようと思っている方へやってはいけない、
とは言いません。

費用のこともあるし、他人に任せたくない気持ちもある。ご自身で片付けること自体は、禁じられていません。ただ、始める前に知っておいていただきたいことが3つあります。

段ボール箱を開ける手元

始める前に知っておく3つ

ご自身で片付ける 一般の清掃・回収業者 特殊清掃の専門業者
作業できる範囲目に見える汚れまで目に見える汚れまで床下・壁の内側まで
においの元への対応届かないことが多い表面の消臭が中心発生源まで到達させる
出た家財の運搬自分で市の施設へ持ち込む許可の有無を要確認許可、または許可業者と提携
遺品の仕分けすべて自分で判断対応しないことが多い貴重品を分けて扱う
原状回復・リフォーム別の業者を自分で手配別の業者を手配同じ会社で続けられる
ご自身の負担その部屋に居続ける立会いが必要なことも立会いなしにできる会社もある

※ 一般の清掃・回収業者でも特殊清掃に対応する会社はあります。表は、対応範囲の傾向を整理したものです。

ひとつ目は相続放棄です。相続財産を処分すると単純承認したものとみなされ、放棄ができなくなることがあります。借金の有無が分からない段階で片付けを始めると、後戻りできません相続放棄と、部屋の片付け)。

ふたつ目はにおいです。亡くなってから時間が経った場合、体液の漏出や臭気が生じることが法医学の総説で指摘されています1床材の継ぎ目や下地に届いていれば、表面を拭いても発生源はそこに残ります。拭いても戻る、という結果になりがちです。

みっつ目は、費用でも法律でもありません。ご家族の部屋で、ご自身がどう感じるかは始めてみるまで分かりません。途中で手が止まっても、それは当然のことです。無理をしないでください。

問題は「誰が運ぶか」です

片付けそのものは自由です。引っかかるのは、出た家財の行き先です。

家庭から出た廃棄物を業として運ぶには、市町村ごとの一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です2,3。ここでいう「業として」は、頼まれて運ぶ側の話です。ご自身で運ぶ分には、許可は要りません。

「無料で回収します」に渡さないでください

環境省は、市町村の許可を受けていない回収業者を利用しないよう呼びかけています4。国民生活センターにも、無許可で回収を行う事業者をめぐる相談が寄せられています5

家庭から出るごみは、排出した側に処理の責任が残ります。渡した相手が不法投棄をした場合、依頼した側も無関係ではいられません(無許可の回収業者と、排出者責任)。

ご自身で運ぶ場合

名古屋市の場合、方法は3つ案内されています6

  1. 一 通常の収集に出す

    量と分別のルールの範囲で、いつもの集積場所へ。粗大ごみは別扱いで受付センターへの申込みが要ります。

  2. 二 自分で処理施設に運ぶ(自己搬入)

    手数料は10kgごとに20072026年10月1日からは10kgごとに270円に改定される予定です8。受付は各区の環境事業所です9

  3. 三 市の許可業者に依頼する

    名古屋市は家庭系の許可業者一覧を区ごとに公開しています6。開き方は許可を自分で確かめる方法に書きました。

他の市にお住まいの場合は、岐阜市四日市市のページに、それぞれの窓口と制度をまとめています。市によって、一覧を公開している市とそうでない市があります。

手を止めたほうがよい合図

次のどれかに当たったら、そこで一度止めて、見積だけ取ってみてください。途中まで自分でやって、残りを頼む形でも構いません。

  • 床にしみが広がっている。下地まで届いていれば、拭いても戻ります。床材の撤去が必要かどうかは、開けてみないと分かりません
  • 虫が出ている。発生源が室内にあります。殺虫剤だけでは繰り返します(虫が出てしまったとき
  • においが日をまたいで戻る。表面では収まっていないという合図です(においが消えないとき
  • 量が想定より多い。自己搬入は重量課金です。往復の回数が増えると、頼んだほうが安いこともあります
  • 手が止まった。これがいちばん正当な理由です

全部を頼まなくても構いません

「特殊清掃だけ頼んで、遺品整理は自分でやる」「においの処理だけ任せる」という分け方もできます。

見積を取るときに「この工程だけ頼めますか」と聞いてください。会社によって受ける範囲が違います。費用の考え方は費用が心配なときにまとめました。

よくあるご質問

自分で片付けてはいけないのですか

禁じられてはいません。問題になるのは、出た家財を「誰が運ぶか」です。ご自身で処理施設へ運ぶ分には許可は要りません。業として運ぶには市町村ごとの一般廃棄物収集運搬業の許可が必要で、無許可の業者に渡すと、出した側にも責任が残ります。2

自分で運べば安く済みますか

量と状態によります。名古屋市の自己搬入は10kgごとに200円で、2026年10月1日から270円に改定される予定です。ただし床材に染みている場合は撤去が必要になり、そこは自分では判断できません。7,8

においだけ自分で消せませんか

表面に届く範囲であれば市販品でも効果があります。届かない場所に染みている場合は、上から香りを足すことになり、時間が経つと戻ります。まず「どこまで染みているか」を確かめるのが先です。

途中まで自分でやって、残りを頼めますか

できます。急ぐ工程と後回しにできる工程を分けて見積を取る方法もあります。ただし相続放棄を考えている場合は、手をつける前に判断してください。

出典

  1. 日本医科大学医学会「金涌佳雅「孤立(孤独)死とその実態」日本医科大学医学会雑誌 2018年14巻3号 100-112頁」https://www.nms.ac.jp/sh/jmanms/pdf/014030100.pdf(2026-08-04取得)
  2. 法務省 日本法令外国語訳データベースシステム「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第2条・第7条)」https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/4529(2026-08-04取得)
  3. 環境省「一般廃棄物処理業の許可について」https://www.env.go.jp/hourei/11/000010.html(2026-08-04取得)
  4. 環境省「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html(2026-08-04取得)
  5. 独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル──市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!(2022年11月2日公表)」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html(2026-08-04取得)
  6. 名古屋市「引越しや片付け、遺品整理などで一度に大量に出るごみ(一時多量ごみ)の処理」https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012410/1012415.html(2026-08-04取得)
  7. 名古屋市「ご自分で処理施設に搬入する場合(自己搬入)」https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012183/1033991.html(2026-08-04取得)
  8. 名古屋市「粗大ごみ手数料のめやす」https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012183/1035058/1012184/1012185.html(2026-08-04取得)
  9. 名古屋市「各区の環境事業所」https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012278/index.html(2026-08-04取得)

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