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遺品整理の進め方
順番を決めておけば、やり直しになりません。
お部屋の片付けは、順番を決めてから始めると、やり直しが起きません。とくに特殊清掃が必要なお部屋では、清掃と整理の順番を逆にすると、見積の出し直しになります。
このページは、遺品整理を6つの段階に分けて、それぞれで「今やること」と「まだやらないこと」を整理したものです。法令で確かめられることは条文を挙げ、確かめられないことは確かめられないと書きます。
特殊清掃と遺品整理は、別の工程です
混同されやすいのですが、この2つは目的が違います。
- 特殊清掃においや汚損の発生源を処理する作業です。床材の継ぎ目や下地まで達している場合は、撤去まで含みます。特殊清掃とはで詳しく説明しています。
- 遺品整理お部屋にあるものを分けて、残すもの・渡すもの・処分するものを決める作業です。判断が必要なので、時間がかかります。
亡くなってから時間が経ったお部屋では、清掃が先、整理が後です。汚損の処理が済んでいない部屋で仕分けを始めると、作業のやり直しになりますし、ご家族が長時間その部屋にいることにもなります。
逆に、においや汚損の問題がないお部屋であれば、遺品整理だけで終わります。どちらが必要かは、見積のときに現地で確かめてもらってください。
進める順番(6つの段階)
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相続放棄をするかどうかを、先に決める
片付けはやり直せますが、相続放棄はやり直せません。民法は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認をしたものとみなすと定めています1。迷っている段階なら、荷物に手をつける前に弁護士または司法書士へ。
順番を間違えないための整理 -
部屋の写真を撮り、範囲を把握する
玄関から順に、部屋ごとに撮っておきます。複数社に同じ条件で見積を頼めるようになります。搬出してしまうと元の状態は二度と撮れません。
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探すものを決めて、先に確保する
通帳・印鑑・保険証券・賃貸借契約書・年金手帳・鍵。手続きで必要になるものです。作業を頼む前に見つかれば、その後の手続きが止まりません。
期限のある手続きの一覧 -
項目別の見積を、複数社から取る
総額ではなく、行が分かれているかを見ます。特殊清掃が必要な部屋では、清掃と整理が別の行になっているかも確かめてください。
「一式」の見積書に注意 -
作業(清掃が先、整理が後)
立ち会えない場合は、作業前と作業後を同じ位置から撮った写真をお願いしておきます。撤去後には撮れないので、着手前にしか頼めません。
依頼から完了までの流れ -
引き渡し・原状回復
賃貸なら、ここで原状回復の負担の話が出ます。経過年数と施工単位という計算の型があります。
請求額を自分で検算する
先に止めるものと、あとで決めるもの
「早く止めたほうがいいもの」と「作業が終わるまで止めないほうがいいもの」が混ざっています。
- 作業の日まで残すもの電気・水道。作業で使う場合があります。見積のときに「作業の日に電気と水道は必要ですか」と聞いてください。
- 早めに整理するものスマホやサブスクなどの継続課金。放っておくと積み上がります。
- 手続きが必要なもの「止める」と「名義を変える」は別の手続きです。届け出ないまま使い続けると、故人の名義のまま料金が発生し続けます。
詳しい順番は郵便とライフラインの記事にまとめています。郵便については、ご家族の住所への転送ができません。
現金・通帳・貴金属が出てきたら
作業中に出てくることがあります。これらは相続財産にあたりうるものなので、その場で「業者に処分を任せるもの」に混ぜないでください。
相続人が数人いるときは、相続財産はその共有に属します1。ご自身の判断で処分してしまうと、あとで分割の話に戻ったときに説明ができなくなります。
着手前に決めておく1文
「作業中に現金・通帳・印鑑・貴金属が出てきた場合は、処分せず一箇所にまとめて、写真を撮って報告してください」。これを見積のときに伝え、書面に残してもらってください。手順で答えられる会社を選んでください。
亡くなった方の口座が凍結されていても、葬儀や片付けの費用を単独で払い戻せる制度があります(金融機関ごとに上限があります)1。別の記事にまとめています。
形見分けと、祭祀に関するもの
形見分けは、気持ちの整理としても大事な工程ですが、財産的な価値があるものは遺産分割の話と地続きです。民法は、遺産の分割は物や権利の種類・性質、各相続人の年齢・職業・心身の状態・生活の状況その他一切の事情を考慮してすると定めています1。共同相続人は、いつでも協議で分割することができ、協議が調わないときは家庭裁判所に請求できます1。
いっぽう、仏壇・位牌・お墓は、遺産分割とは別の枠にあります。民法897条は、系譜・祭具・墳墓の所有権は慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するとし、被相続人の指定があるときはその者が承継する、慣習が明らかでないときは家庭裁判所が定めるとしています1。つまり、法定相続分で分けるものではありません。
詳しくは祭祀財産の記事にまとめました。処分に困っている場合の考え方もそこに書いています。
業者に頼むときに確かめる4つ
よくあるご質問
遺品整理と不用品回収は、何が違いますか
作業として似ていても、家財を運ぶために必要な許可の枠が同じです(家庭から出たごみを業として運ぶには市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可)。一方、買い取って引き取る場合は古物営業法の古物商許可の話になります。呼び名ではなく、どの許可でどう処分するのかを確かめてください。2,4
相続人が複数います。誰が頼めばいいですか
相続人が数人いるときは相続財産は共有になります。片付けそのものを止める条文はありませんが、あとで揉めないために、着手前に「誰が発注するか」「処分するもの・残すもののどちらに迷ったらどうするか」を決めておいてください。分割の話がまとまらないときは、家庭裁判所に請求できます。1
遠方に住んでいて立ち会えません
写真や動画で見積を出す会社があります。立会いなしで進める場合は、鍵をいつ誰が持つか、貴重品が出てきたらどうするかの2点を、着手前に書面で決めておいてください。
賃貸で、大家さんから急かされています
急かされていても、その場で契約する必要はありません。訪問を受けて契約した場合、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば理由なく解除できます。まず項目別の見積を出してもらってください。6
出典
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治29年法律第89号)第885条・第896条・第897条・第898条・第904条の3・第906条・第907条・第909条の2・第921条・第939条・第940条・第621条・第653条・第654条・第656条・第465条の2・第465条の4・第7条・第11条・第15条」https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026-08-18取得)
- 法務省 日本法令外国語訳データベースシステム「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第2条・第7条)」https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/4529(2026-08-04取得)
- 環境省「一般廃棄物処理業の許可について」https://www.env.go.jp/hourei/11/000010.html(2026-08-04取得)
- 愛知県警察「古物営業法の解説」https://www.pref.aichi.jp/police/shinsei/sonota/kobutsu/kobutukaisetu.html(2026-08-18取得)
- 独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル(2018年7月19日公表)」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html(2026-08-04取得)
- 消費者庁「訪問販売(特定商取引法ガイド)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/(2026-08-04取得)
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