許可番号を教えてもらえば、それで確かめられますか
番号だけでは照合できません。名古屋市が公開している一覧に載っているのは社名・電話番号・対応条件で、許可番号は掲載されていません。番号を聞いたうえで、市の環境局に問い合わせて確認する方法はあります。1
コラム/会社の選び方
業者の選び方を書いたページには、たいてい「一般廃棄物収集運搬業の許可があるか確認しましょう」と書かれています。ただ、どこで確認するのかは書かれていません。
名古屋市は、許可業者の一覧を公開しています。開き方さえ分かれば、3分で確かめられます。当サイトが実際に突き合わせた結果も、そのまま載せます。

1お部屋のある区の一覧を開く
名古屋市の「一時多量ごみ」のページから、区ごとに4分割されたPDFを開きます1。千種・東・北・西区/中村・中・昭和・瑞穂区/熱田・中川・港・南区/守山・緑・名東・天白区の4本です。
2頼もうとしている会社の名前を探す
社名と電話番号、対応曜日、作業時間帯が並んでいます。「室内整理から」「室内からの搬出から」「ごみ置き場からの運搬のみ」と、対応できる範囲が分かれています。
3載っていなければ、会社に直接聞く
「家財の運搬は御社の許可でやりますか。それとも許可業者さんへの委託ですか」。どちらでも適法です。答えられないことが問題です。
2026年8月5日、市が公開している4つのPDFをすべて取得し、掲載されている事業者を抽出しました。あわせて事業系の一覧も確認しました。結果です。
| 一覧 | 掲載されている事業者 | 当サイトが調べた特殊清掃9社のうち |
|---|---|---|
| 家庭系(一時多量ごみ等対応) | 各区6〜8社/市全体でユニーク12社 | 0社 |
| 事業系(一般廃棄物) | 35社 | 0社 |
当サイトが調べている特殊清掃の会社は、どちらの一覧にも社名がありませんでした。家庭系の一覧に載っているのは、清掃業ではなくリサイクル・運輸・商店といった事業者が中心です。
ただし「一覧に無い=許可が無い」ではありません
ここは慎重に読んでください。名古屋市は、家庭系の一覧について次のように案内しています。
許可業者によって「室内整理から」、「室内からの搬出から」、「ごみ置き場からの運搬のみ」と対応可能な条件が違います。下記、区別の許可業者のリストを参考に業者をお選びください。
名古屋市「一時多量ごみの処理」1
つまりこの一覧は、一時多量ごみへの対応が可能な業者を抜き出したものであって、名古屋市の一般廃棄物収集運搬業許可業者のすべてではありません。載っていないことが、そのまま「許可が無い」ことを意味するわけではありません。
当サイトも、この結果をもって各社の許可の有無を判定していません。各社への直接確認が済むまでは「調査中」として表示しています。
ここを飛ばすと、この一覧の読み方を間違えます。許可を持っていないことは、必ずしもその会社の怠慢ではありません。制度の側に理由があります。
総務省行政評価局が全国の遺品整理サービス事業者69社を調べた報告書に、こうあります。
一般廃棄物収集運搬業の許可は、市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であることや、市町村が定める一般廃棄物処理計画に適合することなどを満たして初めて与えられる(廃掃法第7条第5項)。この中には市町村の政策判断事項が含まれていることから、遺品整理サービス事業者が同許可を申請した場合に、一定の能力を示せば必ず許可が取得できるという性格のものとはなっていない。
総務省行政評価局・同報告書3
さらに決定的な記述が続きます。
当該4市町村を含む22市町村では、現在の許可事業者数や今後の廃棄物排出量の見込み等を踏まえ、限定許可を含め一般廃棄物収集運搬業の許可を新たに付与する予定はないとしている。
同報告書(調査に協力した28市町村の廃棄物行政担当部署への聴取結果)3
調べた28市町村のうち22市町村が、新たに許可を出す予定がないと答えています。つまり、能力があっても取れません。
実際の取得状況も報告書に出ています(69社)。
| 取得している許可 | 事業者数 |
|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業許可 と 古物商許可の両方 | 27/69 |
| 一般廃棄物収集運搬業許可のみ | 7/69 |
| 古物商許可のみ | 32/69 |
| どちらも取得していない | 3/69 |
一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているのは34社(約49%)、持っていないのが35社です3。持っていない35社のうち21社は取得を希望していましたが、取れていません3。
同じ報告書は、許可を持たない35社に処理の方法を聴き取っています。3つの経路がありました3。
許可業者に連絡を取って故人宅に来てもらい引き渡す、または依頼者に許可業者を紹介する。制度上いちばんはっきりしている経路です。ただし報告書は、この形は料金が割高になりやすいと指摘しています。
遺品をまとめて自社倉庫等に持ち帰り、そこで再度選別してから、取引のある許可業者に処理を依頼する形です。ここは注意が要ります(下記)。
ご家庭が自分で処理施設に運ぶか、事業者が依頼者に代わって運び込む形です。適法ですが、報告書はサービスの低下を伴うとしています。
報告書自身が、二つめの経路に注記を付けています
総務省は、二つめの回答について次の注を付けています。
事業者の発言に即して整理しているため、結果として、「自社から排出」等の回答は、廃掃法の用語法や解釈を踏まえた場合、必ずしも適切ではないと評価され得るものを含んでいる。事業の実態を把握することを目的とするこの調査では、事業者の見解を紹介するにとどめ、違法性等に関する事実認定や判断は行わない。
総務省行政評価局・同報告書 注113
行政の調査が、違法とも適法とも言わずに「適切ではないと評価され得る」と書いている領域です。当サイトも、どの会社がどれに当たるかを判定しません。読者にできるのは、どの経路なのかを会社に聞いて、答えが返ってくるかを見ることです。
もうひとつ、報告書は「搬出する遺品を全て買い取る」旨を契約で明示している事業者があることにも触れ、その場合に買い取った段階で遺品が廃棄物に当たるかどうかは、規制当局による廃掃法に沿った事実認定にかかっているとしています3。買取という形で廃棄物ではなくする整理も、実際に行われています。
なお、許可業者の側から「無許可営業ではないか」と市町村に申し立てが行われた事例も報告されています3。業界の内部でも整理がついていない領域だ、ということです。
断定できることと、できないことを分けます。
断定できること。お部屋の家財を運び出して処分するには、その市町村の許可が要ります4。名古屋市は、市の許可なく片付け業や遺品整理業に伴うごみを運ぶことは廃棄物処理法違反にあたるとしています5。そして、頼んだ側にも責任が残る場面があります5,6。
断定できないこと。特殊清掃の会社が家財をどう運んでいるのか。自社の許可なのか、許可業者へ委託しているのか、買い取る形なのか。これは一覧を見るだけでは分かりません。会社に聞くしかありません。
そして、許可が無いことだけを理由に会社を外すのは、実態に合いません。約半数が持っておらず、その多くは取りたくても取れない状況にあるためです。見るべきなのは、どの経路で処理するのかを説明できるかどうかです。
だから、確かめ方は結局この一言に戻ります。
聞くこと家財の運搬は、御社の一般廃棄物収集運搬業の許可でやりますか。許可業者さんへの委託ですか。それとも買い取る形ですか。
どれでも構いません。答えが返ってくるかどうかを見てください。委託であれば委託先の名前を、買取であれば古物商の許可番号を聞けます。「うちは大丈夫です」だけで具体が出てこない場合が、いちばん困ります。
当サイトの配点で、自社の許可を持つ場合と委託を明示している場合を分けているのは、この違いを読者に見えるようにするためです。考え方は掲載の基準に書いています。
許可は市町村ごとです4。お部屋のある市町村の公式サイトで、次の言葉で探してください。
見つからない場合は、市の環境課・廃棄物対策課に電話して「一般廃棄物収集運搬業の許可業者一覧はありますか」と聞けば教えてもらえます。窓口が答えられない内容ではありません。
愛知県内の他市も実際に確かめました。岡崎市74社・春日井市26社・豊橋市9社・一宮市5社は一覧を公開しており、豊田市は公開していません。市によってここまで違います。詳しくは名古屋市以外はどうする?──愛知県内5市で許可業者の一覧を探した記録をご覧ください。
また、ご自身で処理施設に運ぶ方法もあります。名古屋市では10kgごとに200円で、2026年10月1日からは270円に改定される予定です7,8。量が少なければ、この選択肢が残ります。
番号だけでは照合できません。名古屋市が公開している一覧に載っているのは社名・電話番号・対応条件で、許可番号は掲載されていません。番号を聞いたうえで、市の環境局に問い合わせて確認する方法はあります。1
ご家庭から出る家財は一般廃棄物にあたり、産業廃棄物の許可では扱えません。一般廃棄物の許可は市町村長が出すもので、産業廃棄物とは別の制度です。「一般廃棄物のほうはどうなっていますか」と聞き直してください。4,9
家財を運ぶことについては、市が許可した業者です。ただし、体液や臭気を伴うお部屋の消毒・消臭まで扱うかどうかは別の話になります。作業の範囲を確かめたうえで、清掃と運搬を分けて頼む形も取れます。1
会社の許可・料金・サービス内容は変わります。当サイトは取得日を添えて記録していますが、依頼の前にご自身でも最新の内容をご確認ください。