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コラム/契約と消費者トラブル
もう契約してしまった方へ契約したあとでも、
8日間は解除できます。
急かされて署名してしまった、金額に納得しないまま話が進んでいる。そういう段階でも、まだ手は残っています。
訪問を受けて契約した場合、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば、理由を説明せずに解除できます。まずここを確認してください。
8日間のクーリング・オフ
消費者庁は、訪問販売について次のように案内しています1。
- 法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録により、申込みの撤回・契約の解除ができる
- 理由を説明する必要はない
- すでに商品を受け取っている場合は、販売業者の負担で引き取ってもらえる
作業が終わっていても、対価は請求されません
特殊清掃で切実なのはここです。「もう作業してしまったのだから払ってください」と言われても、条文はこう定めています。
販売業者又は役務提供事業者は、…申込みの撤回等があつた場合には、既に…当該役務提供契約に基づき役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、…当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。
特定商取引に関する法律 第9条第5項2
あわせて、撤回にともなう損害賠償や違約金も請求できません(同条第3項)。受け取っている金銭があれば速やかに返還しなければなりません(同条第6項)2。
そして、床材や壁材を剥がされてしまった場合。
役務提供契約…の申込者等は、…役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者…に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
同 第9条第7項2
さらに「前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする」(同条第8項)2。契約書に「解約は一切受け付けません」「原状回復には応じません」と書かれていても、その部分は効力を持ちません。
起算日は「契約した日」ではなく、法定の書面を受け取った日です。書面を渡されていない場合、8日の数えはじめ自体が来ていない、という考え方になります。手元に何も残っていないなら、そのことをそのまま相談窓口に伝えてください。
8日を過ぎていても、あきらめないでください
消費者庁と国民生活センターは、事業者がクーリング・オフについて事実と異なる説明をしたり、威迫して消費者が解除しなかった場合には、8日を過ぎていても行使できるとしています1,3。
「もう工事に入ったので解約できません」と言われた、書面をもらっていない、といった場合は、期間が過ぎていても相談する価値があります。
遺品の買取は「訪問購入」にあたります
相談する先
迷った時点で構いません。契約前でも契約後でも相談できます。
消費者ホットライン188(いやや)
お住まいの地域の消費生活センター・相談窓口につながります。局番なしの3桁です。
用意しておくもの契約書・見積書・領収書・やりとりの記録
書面が無い場合も、いつ誰が来て何と言ったかをメモにしておくだけで話が早くなります。相手の会社名と電話番号も控えてください。
不用品回収サービスに関する相談は、2018年度の1,354件から2021年度の2,231件へ増えています7。同じ状況の方は少なくありません。相談することを、ためらわないでください。
そもそも、その場で決めない
亡くなった直後は、判断の材料が揃っていない状態で金額を示されます。急かされる形になりやすいのは、そのためです。
名古屋市は、「定額料金」「即日対応」「格安」といった表示で呼び込む無許可の回収業者について、高額請求や契約後の威圧的な態度、クレジット決済の強要といった事例を挙げています8。当日中に決めなければならない理由は、通常ありません。
一晩置いて構いません。ご家族と相談してから、と伝えて電話を切って構いません。それで態度が変わる会社であれば、その時点で分かったことになります。
よくあるご質問
クーリング・オフは、どう伝えればいいですか
書面または電磁的記録で行います。はがきに契約日・事業者名・契約内容・解除する旨を書いて送る方法が一般的です。送った証拠が残る方法にしてください。書き方に迷う場合は、消費者ホットライン188で案内してもらえます。1
すでに作業が終わってしまった場合も解除できますか
特定商取引法は、役務が提供されたときであっても、事業者はその役務の対価その他の金銭の支払を請求することができないと定めています(第9条第5項)。受け取っている金銭があれば速やかに返還しなければならないとも定められています(同条第6項)。作業が済んでいることは、それ自体では解除できない理由になりません。ただし、その契約が訪問販売にあたるかどうかは経緯によりますので、消費者ホットライン188にご相談ください。2
床材を剥がされてしまいました。元に戻してもらえますか
特定商取引法は、役務の提供に伴って土地や建物その他の工作物の現状が変更されたときは、事業者に対して原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求できると定めています(第9条第7項)。また、これらの規定に反する特約で消費者に不利なものは無効とされています(同条第8項)。契約書に「原状回復には応じない」と書かれていても、その部分は効力を持ちません。2
自分から電話して来てもらった場合も対象になりますか
訪問販売にあたるかどうかは、契約の経緯によって変わります。見積を依頼しただけの場合と、自宅で契約することを自ら求めた場合とでは扱いが異なることがあります。当サイトでは判断できませんので、契約書と経緯を手元に用意して消費者ホットライン188にご確認ください。
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出典
- 消費者庁「訪問販売(特定商取引法ガイド)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/(2026-08-04取得)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第9条(訪問販売における契約の申込みの撤回等)」https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057(2026-08-09取得)
- 独立行政法人国民生活センター「クーリング・オフ制度」https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html(2026-08-05取得)
- 消費者庁「訪問購入(特定商取引法ガイド)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorpurchases/(2026-08-04取得)
- 愛知県警察「古物営業法の解説」https://www.pref.aichi.jp/police/shinsei/sonota/kobutsu/kobutukaisetu.html(2026-08-04取得)
- 総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書(令和2年3月)」https://www.soumu.go.jp/main_content/000675388.pdf(2026-08-05取得)
- 独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル──市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!(2022年11月2日公表)」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html(2026-08-04取得)
- 名古屋市「市の許可のない回収業者には粗大ごみなどの処分を頼まないで」https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012183/1035058/1012184/1026025.html(2026-08-04取得)
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