親は65歳以上ですが、私が同じ市内に住んでいます。なごやか収集は使えますか
当サイトでは判断できません。名古屋市の要件は「親族や近所の方の協力を得ることが困難」であることを含んでおり、ご家族が近くにお住まいかどうかは、実際に協力できる状況かどうかとあわせて見られます。可否は、申込み後に環境事業所の職員が訪問して状況を確認したうえで決まります。まずお住まいの区の環境事業所にご相談ください。1
コラム/住まいの片付け
親御さんの家で、ごみが玄関のあたりにたまり始めた。集積場所まで運ぶのが難しくなっているらしい。離れて住んでいて、毎回は手伝えない。そういう段階の方に向けて書きます。
多くの市に、ごみを玄関先まで取りに来る制度があります。名古屋市では「なごやか収集」という名前です。ただし誰でも使えるわけではありません。要件と、対象から外れる場面が、はっきり決まっています。ここでは名古屋市の要件を軸にして、愛知県内の他の市と並べます。

名古屋市の「なごやか収集」は、家庭ごみや資源を所定の排出場所まで持ち出すことが困難な方を対象に、原則として市が玄関先に出されたごみや資源を直接収集する市民サービスです1。平成13年8月から実施されています1。
対象になるかどうかは、「ご本人の状態」と「世帯の状態」の両方を同時に満たすかで決まります1。片方だけでは足りません。ここを取り違えたまま申し込むと、訪問のあとで対象外の通知が届きます。
1ご本人の状態──次の5つのいずれか
65歳以上の方、要介護者又は要支援者と認定された方、身体障害者手帳を所持する方、精神障害者保健福祉手帳を所持する方、愛護手帳を所持する方1。手帳や認定が無くても、65歳以上であれば1つ目に当たります。
2世帯の状態──協力を得ることが困難であること
市の表現では「親族や近所の方の協力を得ることが困難で、お一人でごみや資源を持ち出すことができない方のみで構成された世帯」1。一人でごみや資源を持ち出すことができる方は利用できない、とも書かれています1。
3同居している方がいる場合
1から5に該当しない同居者がいても、その同居者が年少者のためごみや資源の排出が困難な場合は、対象となる場合があります1。お孫さんと二人暮らし、といった世帯がここに当たります。
収集してもらえるのは、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、発火性危険物、蛍光管、水銀体温計、水銀温度計、電池類、空きびん、空き缶、ペットボトル、プラスチック製容器包装、紙製容器包装、新聞、雑誌、段ボール、紙パック、雑がみ、衣類・布類です1。
この一覧に粗大ごみが入っている点が、名古屋市の制度のいちばん大きな特徴になります。あとで並べる愛知県内の他の市では、粗大ごみを対象から外しているところが目立ちました。ただし名古屋市の粗大ごみには、別の条件が付いています。次の節に書きます。
名古屋市のページには、粗大ごみについての注意事項が別立てで置かれています。ここを読み落とすと、当てが外れます。
対象となる世帯はすでに「なごやか収集」を利用している世帯または、上記2から5に該当する世帯です。
名古屋市「ごみ・資源の排出が困難な方への市民サービス「なごやか収集」」1
「上記2から5」は、要介護・要支援の認定、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、愛護手帳です1。つまり年齢だけで対象になっている世帯(65歳以上で、認定も手帳も無い方)は、まず日々のごみで利用を始めてからでないと、粗大ごみは頼めないという組み立てになっています1。介護保険の認定を受けているかどうかを、先に確かめておいてください。
粗大ごみを玄関先まで持ち出すことが困難な場合には、屋内から収集してもらえます。ただし屋内収集は本人以外の方の立会いをお願いします、と条件が付きます1。市のQ&Aでも、第三者の立ち会いのもと家の中から回収するサービスを行っている、と説明されています2。遠方にお住まいでも、この日は行く必要があります。
屋内収集の対象外になるものは、4つ挙げられています1。
最後の1つが、この記事を読んでいる方には効いてきます。なごやか収集は、日々のごみ出しを続けるための制度であって、家の中を一度に片付けるための制度ではありません。同じ線引きは他市にもあり、岡崎市は「さわやか収集」の案内に、家財整理をして出る大量の不用品の収集はできません、と明記しています3。
名古屋市の手続きは5段階です。書類を郵送するのではなく、電話かファクスから始まります1。
お住まいの区の環境事業所へ、電話やファクス等で申し込みます1。希望者本人が申し込めない場合は、代理の方でも申し込めます1。離れて住むご家族から、あるいはケアマネジャーからでも構いません。
希望者の状況を確認するため、環境事業所の職員が訪問します1。玄関から集積場所までの距離や、ごみの置き場所を、その場で見て決めることになります。
訪問後、なごやか収集を実施するかどうかを市が決定します1。
後日、希望者または代理人の方へ、実施の可否と開始日が知らされます1。
開始日以降、玄関先に出したものを市が収集します1。
申込み先は各区に置かれた環境事業所で、千種から天白まで16か所あります1。区ごとの電話番号は、名古屋市のページから区名を選ぶと、警察署やいきいき支援センターと一緒に並べてあります5。制度そのものの問い合わせ先は、環境局事業部作業課(052-972-2394)です1。
申込みから開始まで何日かかるかは、名古屋市のページには書かれていません。当サイトでは日数を判断できません。目安として、近隣市が公開している期間だけ挙げておきます。刈谷市は申請から収集の決定・開始まで2週間から3週間程度6、安城市は状況確認の後に2週間程度7、一宮市は毎月10日までの受付分を15日までに面談して翌月から収集開始(11日以降の受付は翌々月)8。どの市も、思い立った週から始まる制度ではありません。
同じ「玄関先まで取りに来る」制度でも、呼び名と要件は市ごとに違います。当サイトが各市の公開ページで確認できた範囲を並べます。年齢だけで入れる市と、介護認定や手帳が要る市に分かれます。
| 市 | 制度の名称 | 対象となる方(要点) | 粗大ごみ |
|---|---|---|---|
| 名古屋市 | なごやか収集 | 65歳以上/要介護・要支援/身体障害者手帳/精神障害者保健福祉手帳/愛護手帳のいずれかに該当する方のみの世帯で、親族や近所の方の協力を得ることが困難な世帯1 | 収集する(条件あり)1 |
| 豊橋市 | ふれあい収集 | 原則として65歳以上又は体が不自由な方の一人世帯で、ごみの持ち出しに周りの協力が得られない世帯9 | ページに記載なし9 |
| 岡崎市 | さわやか収集 | 65歳以上で要支援2又は要介護1〜5の認定を受けた方のみの世帯、身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳・特定医療費受給者証のいずれかの所持者のみの世帯。かつ親族・近隣・ヘルパーを含む介護者の協力を得るのが困難な方3 | 収集しない3 |
| 一宮市 | ふれあい収集 | 要介護認定を受けている65歳以上の高齢者だけの世帯、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方だけの世帯、その両者だけの世帯8 | 収集しない8 |
| 豊田市 | ふれあい収集 | 要支援2又は要介護1以上のひとり暮らしの方、身体障がい者手帳1〜3級・精神障がい者保健福祉手帳1〜2級・療育手帳A/B判定のひとり暮らしの方、世帯員全員がこれらに該当する世帯。自動車等の交通用具が使用できないことも要件10 | 収集しない10 |
| 春日井市 | さわやか収集 | 要介護認定か要支援認定を受けた方、身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳の交付を受けた方、市長が必要と認める方のみで構成された世帯(年齢だけの要件はありません)11 | ページに記載なし11 |
| 安城市 | あんしんふれあい収集 | 世帯全員が介護保険の要介護1以上の認定を受けていること、世帯全員が自力でごみステーションまで運ぶことが困難なこと、親族や近隣在住者等の協力を得ることが困難なこと7 | 収集しない7 |
| 刈谷市 | 高齢者・障害者等の世帯へのごみの戸別収集 | 要介護認定を受けている一人暮らしの世帯、身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の交付を受けた方の一人暮らしの世帯、その他特に必要と認める世帯(病気、けが、妊産婦等で一時的に必要な単身世帯を含む)6 | 品目の一覧に粗大ごみはありません6 |
各市の公開ページおよび豊田市ふれあい収集実施要綱より、2026年9月5日に確認。要件は要約しています。「ページに記載なし」は、当サイトが見た公開ページに粗大ごみの扱いが書かれていなかったという意味で、収集するという意味ではありません。
読み比べると、違いは3つに集まります。1つ目は年齢の扱いで、名古屋市と豊橋市は65歳以上を単独の要件に置いていますが、岡崎市・豊田市・安城市は年齢に加えて介護認定を求め、春日井市には年齢の要件がありません1,9,3,11。2つ目は一人暮らしかどうかで、豊橋市・豊田市・刈谷市は一人世帯を基本に置いています9,10,6。3つ目が粗大ごみで、ここは名古屋市が広く取っています。
離れて暮らすご家族にとって、ここが制度のもう一つの価値になります。環境省が地方公共団体向けに出した手引きは、制度設計の項目として「声かけ等による安否確認の検討」を立てています13。訪問時に声かけをするかどうか、異変が確認されたときに庁内のどこへ連絡するかを、あらかじめ決めておくという内容です13。
手引きは、収集員が気づくべき例も挙げています。
人が倒れている。/異臭がする。/新聞や郵便物がたまっている。/雨でも、窓が開放されたままであったり、洗濯物が干したままである。/玄関が開け放しで、応答がない。/窓ガラスが割れているなど、防犯上の異変がある。
環境省「高齢者ごみ出し支援制度導入の手引き」(概要版)異変に気づき、確認や諸対応が必要な例13
令和元年度のモデル事業(青森県むつ市)では、ごみが出されていないときに呼び鈴を押して声をかけ、反応が無ければ市役所へ連絡し、電話にも応答が無ければ職員が自宅を訪問する、という順序が実証されています13。ごみを出さない日には「今日は、ゴミはありません」と書いた紙をごみ箱に入れておく運用も示されました13。
愛知県内では、この考え方を制度の文面に書き込んでいる市があります。
いっぽう名古屋市の「なごやか収集」の案内には、声かけや安否の確認についての記載がありません1。書かれていない以上、当サイトでは「名古屋市は安否確認もしてくれます」とは書けません。期待している方は、申込みのときの訪問で、その点を職員に直接お尋ねください。
ここまで愛知県内の話を書いてきましたが、この制度はどこの市にでもあるものではありません。環境省が全国の市町村に行った調査(依頼1,741件、有効回収1,648件、有効回答率94.7%)では、高齢者向けごみ出し支援制度を「行っている」のは387自治体で、全体の4分の1弱にとどまりました14。
必要は認識されています。「今後、高齢化によりごみ出しが困難な住民が増える」という設問に、「とてもそう思う」21.4%と「そう思う」65.7%を合わせて8割台後半が肯定しました(n=1,646)14。それでも制度化が進まない理由として挙がったのは、予算の不足82.5%と人員の不足82.5%です14。未導入の自治体のうち導入を検討したところでも、検討結果は「当面導入の予定はない」が78.1%を占めました(n=320)14。
実施している自治体の形も一つではありません。環境省の手引きは、次の4つに整理しています13。
| タイプ | 誰が収集するか | 実施主体の割合 |
|---|---|---|
| タイプⅠ 直接支援型(直営) | 地方公共団体の職員が、玄関先等から戸別収集13 | 52.8%14 |
| タイプⅡ 直接支援型(委託) | 地方公共団体による委託業者が収集13 | 31.9%14 |
| タイプⅢ コミュニティ支援型 | 登録された支援団体が、ごみ出しを支援13 | 10.9%14 |
| タイプⅣ 福祉サービスの一環型 | 福祉部局が、生活支援業務の一つとして実施。家の中から集積所までが範囲で、清掃センターまでは運ばない13 | 12.7%14 |
割合は制度導入自治体のみの複数回答(n=386)14。タイプの説明は手引き(概要版)より13。
親御さんが名古屋市や愛知県内の市にお住まいなら、この記事の表から当たれます。そうでない市にお住まいなら、まず「制度があるかどうか」から確かめてください。手引きの別冊には、全国32事例をまとめた事例集も付いています13。
要件に届かなかった、あるいは今たまっている分は制度の外だった。そのときの行き先を、名古屋市のQ&Aは3つ示しています2。
2名古屋市シルバー人材センターに相談する
市は、上記以外の場合は名古屋市シルバー人材センターに相談するよう案内しています2。有料の生活援助のサービスです。料金は当サイトでは確認できていないので、金額はご自身でお尋ねください。
あわせて、ごみの話とは別に、ご本人の暮らし全体の相談先を1つ持っておくと動きやすくなります。名古屋市では、いきいき支援センター(地域包括支援センター)が高齢者の身近な相談窓口で、相談は無料です15。介護保険の認定を受けていれば、なごやか収集の粗大ごみの条件も満たすことになります1。ごみの相談から入っても、結局はここに戻ってきます。
ご家族の手で片付ける段になったら、先にそろえる物と手を付ける順番を別の記事にまとめました。ご自身で処理施設へ運ぶ場合の受付は、工場ではなく区の環境事業所です5。どこまでを自分たちでやり、どこから頼むかは、量を見てから決めて構いません。
当サイトでは判断できません。名古屋市の要件は「親族や近所の方の協力を得ることが困難」であることを含んでおり、ご家族が近くにお住まいかどうかは、実際に協力できる状況かどうかとあわせて見られます。可否は、申込み後に環境事業所の職員が訪問して状況を確認したうえで決まります。まずお住まいの区の環境事業所にご相談ください。1
なごやか収集の屋内収集では対象外です。名古屋市は「引越し、退去等に伴い多量に発生したもの」を屋内収集の対象外として明記しています。岡崎市も、家財整理をして出る大量の不用品は収集できないとしています。一度に大量に出る分は、名古屋市では「一時多量ごみ」として、通常の収集に出す・ご自身で処理施設に運ぶ・市の許可業者に依頼する、の3つの方法が案内されています。1,3,4
名古屋市は日数を公開していないため、当サイトでは判断できません。近隣市の目安としては、刈谷市が申請から決定・開始まで2週間から3週間程度、安城市が状況確認の後に2週間程度、一宮市が毎月10日までの受付分について15日までに面談して翌月から開始としています。いずれも訪問や面談を挟むため、申し込んだ週から始まる制度ではありません。1,6,7,8
市によります。一宮市は一声かけて安否を確認したうえで収集すると書いており、刈谷市と安城市はごみが出ていないときや希望者への声かけと関係機関への情報提供を明記しています。名古屋市の案内には声かけの記載がありません。全国調査でも「毎回必ず声かけを行う」は34.0%で、安否確認に関する研修は9割の自治体が実施していないと回答しています。見守りそのものは、いきいき支援センター(地域包括支援センター)にご相談ください。8,6,7,1,14,15
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