はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

コラム/住まいの片付け

ペットの多頭飼育だった部屋の特殊清掃先に動物、次に床の下。
順番を間違えないでください。

亡くなった方が多くの動物を飼っていた、あるいは飼えなくなったまま日数が経った部屋。特殊清掃の中でも、作業の範囲が広がりやすい部屋です。尿は床材の下まで染み、糞と毛と害虫が重なります。

このページは、残っている動物をどうするか、汚染がどこまで進むか、見積に並ぶ行、ペット臭と消臭保証の関係、そして国が「片付けより先」に置いていることを順に書きます。

犬とペット用キャリーのイラスト

一 まだ動物が残っているなら、先に引取りを

清掃の前に、生きている動物の行き先を決めます。動物の愛護及び管理に関する法律は、犬や猫の所有者から引取りを求められた都道府県等が引き取ることを定めています1。窓口は県や市の動物愛護センター・保健所です。飼い主が亡くなっている場合は、相続人や管理している方が相談します。

同じ法律は、所有者に終生飼養の責任も求めています1。引取りには条件があり、譲渡先を探す期間を置かれることもあります。清掃の会社は動物を預かれません。先に窓口へ連絡し、動物が部屋から出てから清掃に入るのが順番です(故人のペットをどうするか)。

二 尿は床の下へ、糞と毛と虫は表面に

多頭飼育の部屋の汚染は、2層になります。表面には糞・毛・抜け毛に集まる虫。床の下には、長い期間に繰り返し染み込んだ尿。ブルークリーンは費用の変動要因として「汚染の深さ(床下・壁下地への浸透)」を挙げていて2、これは亡くなった後の汚染でも多頭飼育でも同じです。

虫は、表面で駆除しても止まりません。厚生労働省は建築物の衛生管理で、発生源への対処を含むIPM(総合的有害生物管理)の考え方を示しています3。糞と尿という発生源を処理しない限り、同じことが繰り返されます(虫が出てしまったとき)。

三 見積に並ぶ行——亡くなった後の部屋との違い

当サイトが料金表を公開している全国22社から集計した単価の幅で、多頭飼育の部屋で立ちやすい行です。

行幅多頭飼育の部屋での特徴
汚損箇所の除去・清掃3万〜10万円部屋全体に広がっていることが多い
害虫の駆除1万〜5万円ほぼ立つ。発生源の処理とセット
汚染した畳の撤去(1枚)2,500〜11,000円和室は枚数分
床材・壁材の撤去3万〜15万円尿が床材の下まで達している場合
床下の消毒・防臭処理2.5万〜20万円繰り返し染みた尿は下地まで届く
消臭剤・除菌剤の散布/オゾン脱臭(1日)1万〜3.5万円/1万〜5万円回数が増えやすい

亡くなった後の部屋と違うのは、汚染が一か所ではなく部屋全体に薄く広く、しかも長期間という点です。表面の行が増え、床下の行が立ちやすくなります。間取り別の帯と作業別の単価は特殊清掃の費用はいくら?に。

四 ペット臭は、消臭保証の対象か

消臭保証は、会社によって対象が違います。亡くなった後の臭いを対象にし、ペット由来の臭いは別扱いにする会社があります。契約前に「ペット臭も保証の対象か」「対象なら期間と再対応の費用」を書面で確かめてください(ペットの臭いと消臭保証、消臭保証の書面で確かめること)。

尿が床材の下まで達していると、表面の消臭では戻ります。保証の話の前に、床下の行が見積にあるかを見てください。

五 国は「片付け」より先を見ています

環境省は2021年に「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン」を公表し、社会福祉と動物愛護管理の多機関連携を求めています4。ガイドラインは、飼い主の生活状況・動物の状態・周辺への影響を把握し、対応する観点を置いています5。部屋だけきれいにしても、飼い主の状況が変わらなければ再発のリスクが残る、という考え方です4。

飼い主が存命で、同じ部屋に戻る場合は、清掃と同時に市の福祉の窓口につなぐ必要があります。ご近所の方の立場からの手順は動物がたくさんいる部屋の片付けに、相談先は困ったときの相談先にまとめています。

ご自身で始めるなら、換気と写真までに

糞や尿の付いた物を動かすと、臭いと虫が広がります。窓を開け、写真を撮り、2〜3社に同じ条件で見積を頼むところまでにしてください。汚れていない家財だけは、市の制度で出せます(自分で片付けようと思っている方へ)。

よくあるご質問

多頭飼育だった部屋の特殊清掃は、いくらかかりますか

間取り別の帯(1R・1Kで5万〜15万円、4LDK以上・戸建てで25万〜60万円)に加えて、害虫の駆除と床下の処理の行が立ちやすい部屋です。尿が床材の下まで達しているかで総額が大きく変わるので、現地を見てもらってから判断してください。2

動物がまだ部屋にいるときは、どこに相談しますか

県や市の動物愛護センター・保健所です。動物の愛護及び管理に関する法律は、犬や猫の所有者から求められた引取りを都道府県等が行うと定めていますが、条件があります。清掃の会社は動物を預かれないので、先に窓口へ連絡してください。1

ペットの臭いは消臭保証の対象になりますか

会社によって違います。亡くなった後の臭いだけを対象にし、ペット由来は別扱いにする会社があります。契約前に、対象・期間・再対応の費用を書面で確かめてください。

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出典

  1. e-Gov法令検索(昭和48年法律第105号)「動物の愛護及び管理に関する法律(第7条第4項 終生飼養/第35条 犬及び猫の引取り/第39条の6 変更登録/第39条の7 狂犬病予防法の特例)」https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105(2026-08-18取得)
  2. ブルークリーン株式会社「特殊清掃の料金・費用(パッケージプラン参考価格)」https://b-clean.jp/owned/fee/(2026-08-04取得)
  3. 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル 第6章 ねずみ等の防除──IPM(総合的有害生物管理)の施工方法」https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei09/pdf/03g.pdf(2026-08-13取得)
  4. 環境省自然環境局「「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン〜社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて〜」の策定について(2021年3月26日)」https://www.env.go.jp/press/109357.html(2026-08-13取得)
  5. 環境省自然環境局「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン 第2章 多頭飼育問題への対応」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/r0303a/02.pdf(2026-08-13取得)

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