はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

コラム/住まいの片付け

市販のオゾン発生器で自分で消臭できる?臭いの成分は分解できる。
臭いの元は、分解できません。

オゾン脱臭は、特殊清掃の会社が実際に使う方法です。だから「自分で機械を買えば済むのでは」と考える方がいます。結論は、条件つきで一部できる、です。

できるのは空気中の臭い成分の分解で、できないのは建材に染みた臭いの元の除去です。そして高濃度のオゾンは、吸い込むと有害です。このページは、公的資料で確かめられる範囲で、できること・できないこと・安全の線を書きます。

床や壁に残る臭いの確認を表すイラスト

できること——空気中の臭い成分を分解する

環境省の「防脱臭技術の適用に関する手引き」は、脱臭技術の一覧にオゾンによる酸化分解を挙げています1。空気中の臭い成分をオゾンが酸化して壊す仕組みで、特殊清掃の会社も作業の一工程として使います。作業別の料金表を公開している会社では、オゾン脱臭は1日あたりの単価で案内されています2。

つまり、空気に残った臭いを下げる効果はある方法です。閉め切っていた部屋の軽いこもり臭や、清掃が終わった後の仕上げには使われます。

できないこと——染み込んだ元を取る

臭いの元は、建材に染み込んだ汚染と、そこで増えた微生物です(臭いの正体)。オゾンは空気中の成分を分解しますが、床材の下や壁の下地に染みた元には届きません。運転を止めれば、元から臭いが出て戻ります。

会社がオゾン脱臭を「最後の工程」に置いているのはそのためです。汚染物の撤去、洗浄、消毒を終えてから、空気に残った分を落とします(特殊清掃の作業工程と確認点)。亡くなった後の汚染がある部屋で、清掃をせずに機械だけ回すと、臭いは一時的に薄れて、戻ります。

安全の線——吸い込まない、無人で、換気する

厚生労働省のモデル安全データシート(SDS)は、オゾンの急性毒性(吸入)を最も厳しい区分とし、取扱いでは吸入を避け換気すること、漏出時は関係者以外の立入りを制限しガスが拡散するまで区域を隔離することを示しています3。日本産業衛生学会が勧告する作業環境の許容濃度は0.1ppmです4。屋外の大気環境基準は光化学オキシダントとして定められています5。

これらは「短時間なら入ってよい」を正当化する数字ではありません。業務用の運転は、人も動物も植物も出した無人の部屋で行い、終わったら換気してから入ります。会社が作業中に入室できないと言うのはこのためです(オゾン脱臭の作業中に部屋へ入れない理由)。

市販品で分からないこと

家庭用の製品は、部屋のどこで何ppmになるかを使う側が測れません。当サイトも製品ごとの性能を確かめていないので、「この機種なら安全」とは書きません。使うなら、製品の表示に従い、運転中は無人にし、終わったら窓を開けて換気するという、業務用と同じ条件を守ってください。

業務用と家庭用の違い

  • 濃度と運転の設計業務用は無人の部屋で高濃度に運転し、換気まで含めて工程にします。家庭用は人のいる空間を前提にした低濃度の製品が多く、同じ結果は期待できません。
  • 前工程の有無会社は汚染物の撤去・洗浄・消毒のあとに使います。前工程を飛ばすと、どの機械でも戻ります。
  • 確認と保証会社は作業後に臭いを確認し、戻ったときの再対応を書面で約束する場合があります。自分でやる場合、この保証はありません(消臭保証の書面で確かめること)。

判断——どんな部屋なら、自分で試してよいか

  1. 汚染がある部屋(亡くなった後、ペットの尿、糞)→ 先に清掃。機械は買わない。
  2. 清掃が終わった後の仕上げ → 会社の消臭保証の範囲なら会社に。保証が無く、軽いこもり臭なら、無人・換気の条件で試す余地はあります。
  3. 長く閉めていただけの部屋 → 先に換気と乾燥。カビなら元を除かないと戻ります(長く閉めた部屋のカビと臭い)。

よくあるご質問

市販のオゾン発生器で、特殊清掃の代わりになりますか

なりません。オゾンは空気中の臭い成分を分解しますが、床材の下や壁の下地に染みた臭いの元には届きません。汚染物の撤去・洗浄・消毒を終えてから、空気に残った分を落とす工程がオゾン脱臭です。1

オゾン発生器は人体に害がありますか

高濃度のオゾンは吸い込むと有害です。厚生労働省の安全データシートは吸入を避け換気することを示し、日本産業衛生学会の許容濃度は0.1ppmです。業務用は無人の部屋で運転し、換気してから入ります。家庭用でも、運転中は無人にし、終わったら換気してください。3,4

何時間運転すれば臭いは消えますか

時間で決まるものではありません。臭いの元が残っていれば、何時間運転しても戻ります。元を除いたうえで、空気に残った分を落とすのに使います。会社は臭いの残り方に応じて回数を調整しています。

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出典

  1. 環境省環境管理局大気生活環境室「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)脱臭技術一覧・脱臭効率一覧」https://www.env.go.jp/content/900397525.pdf(2026-08-11取得)
  2. マインドカンパニー「特殊清掃 作業別料金表」https://www.mind-company.jp/body/price(2026-08-04取得)
  3. 厚生労働省「職場のあんぜんサイト 化学物質「オゾン」GHSモデルSDS(CAS 10028-15-6・2002年12月13日作成/2006年10月15日更新)」https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0692.html(2026-09-22取得)
  4. 日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告(2025年度)産業衛生学雑誌67巻5号183–215頁」https://sanei.or.jp/files/topics/oels/oel_2025.pdf(2026-08-11取得)
  5. 環境省「大気の汚染に係る環境基準(光化学オキシダント・令和8年1月30日告示)」https://www.env.go.jp/kijun/taiki.html(2026-08-11取得)

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