14日を過ぎてしまいました
省令は十四日以内としていますが、過ぎた場合の扱いは窓口での確認になります。気づいた時点で、介護保険はお住まいの区の区役所福祉課、後期高齢者医療は区役所保険年金課へご相談ください。当サイトでは個別の可否を判断できません。2,3,4,5
コラム/亡くなった後の実務
介護を受けていた親御さんが亡くなり、区役所へ行く前に何を持っていけばいいか調べている。あるいは、届出は済ませたつもりだったのに、あとから保険料の納付書が届いて驚いた。そういう方に向けたページです。
介護保険と後期高齢者医療の資格喪失届は、どちらも省令で十四日以内と定められています。そして届出のあとに、保険料の精算が残ります。

国民健康保険の届出が原則14日以内であることは、別の記事に書きました1。同じ期限が、介護保険と後期高齢者医療にもあります。しかも、根拠は別々の省令です。
被保険者証交付済被保険者は、被保険者の資格を喪失したときは、十四日以内に、次に掲げる事項を記載した届書を、市町村に提出しなければならない。
介護保険法施行規則 第三十二条(資格喪失の届出)2
被保険者は、被保険者の資格を喪失したときは、十四日以内に、次に掲げる事項を記載した届書を、後期高齢者医療広域連合に提出しなければならない。
高齢者の医療の確保に関する法律施行規則 第二十六条(資格喪失の届出)3
提出先が違うことに気づかれたでしょうか。介護保険は市町村、後期高齢者医療は広域連合です2,3。実際の受付は市の窓口ですが、制度としては別の主体が扱う形です。
名古屋市は、転入や転出のように住民異動届で足りる場合と、そうでない場合を分けて案内しています。亡くなられたときは後者にあたり、その内容を届け出てくださいと書かれています4。死亡届を出したことで自動的に終わる、という書き方はされていません。
同じ区役所の建物でも、課が違います。ここを知らずに行くと、一方の課で並び直すことになります。
| 介護保険 | 後期高齢者医療 | |
|---|---|---|
| 名古屋市の窓口 | お住まいの区の区役所福祉課または支所区民福祉課4 | お住まいの区の区役所保険年金課または支所区民福祉課5 |
| 出す書類 | 介護保険被保険者資格取得・喪失・変更届4 | 資格喪失の届書(様式は愛知県後期高齢者医療広域連合のページから入手できます)5 |
| 名古屋市が挙げている持ち物 | 被保険者証4 | 資格確認書、届出する方の本人確認書類、マイナンバーカード等5 |
| 省令が届書に添えると定めているもの | 被保険者証及び負担割合証2 | 資格確認書(交付を受けている場合)3 |
| 問い合わせ | 介護保険課保険料担当 052-972-25956 | 医療福祉課後期高齢者医療担当 052-972-25735 |
名古屋市の各案内ページと、二つの施行規則より。区役所福祉課の連絡先は市の一覧にまとまっています7。
後期高齢者医療の一覧には、「死亡したとき」の欄がもう少し細かく書かれています。限度額適用・標準負担額減額認定証、限度額適用認定証、特定疾病療養受療証(特定疾病療養受療証はお持ちの方のみ)に加えて、葬祭を行った方(喪主)は、その事実を証明するもの(会葬礼状等)と預金(貯金)通帳です5。葬祭費の申請を同じ窓口で済ませられる、ということです。持ち物が重なるので、同じ日にまとめるほうが往復は減ります。
納付書が突然届いて驚かれるのは、ここが原因です。介護保険法も高齢者医療確保法も、保険料の徴収を特別徴収(年金保険者に徴収させる方法)と普通徴収(納入の通知による方法)の二つに分けています9,10。
年金の支払いが止まれば、そこから引かれていた保険料も止まります。止まるのは天引きであって、保険料そのものではありません。まだ納めていない分は普通徴収に切り替わり、納付書がご家族のところへ届きます。
そして、その納付書を受け取る立場の話が、次の条文です。
世帯主は、市町村が当該世帯に属する第一号被保険者の保険料を普通徴収の方法によって徴収しようとする場合において、当該保険料を連帯して納付する義務を負う。
介護保険法 第百三十二条第二項(普通徴収に係る保険料の納付義務)9
続く第三項は、配偶者の一方についても同じ連帯納付義務を定めています9。後期高齢者医療にも、同じ条文があります10。これは相続によって引き継がれる義務ではなく、法律が世帯主と配偶者に直接負わせている義務です。相続の話とは別に立っている、ということです。
納付書に書かれている金額が、年額のままなのか、精算後の額なのか。名古屋市の条例は、こう定めています。
保険料の賦課期日後に第1号被保険者の資格を喪失した場合における当該第1号被保険者に係る保険料の額は、当該資格を喪失した日の属する月の前月まで、第7条の規定による保険料の額により月割をもって算定する。
名古屋市介護保険条例 第11条第3項(賦課期日後において第1号被保険者の資格取得、喪失等があった場合の保険料)12
賦課期日は4月1日です13。年度の途中で資格を喪失した場合、その月の前月分までが月割で計算し直されます12。後期高齢者医療も同じ考え方で、愛知県後期高齢者医療広域連合は年度途中の制度への加入・脱退について月割計算となりますと書いています14。
精算の結果は、二つのどちらかです。すでに納めた額のほうが多ければ還付、足りなければ追加の納付になります。どちらになるかを決めるのは、天引きされていた月数と、亡くなった月の関係です。
足りない場合誰が納めることになるのか
世帯主と配偶者には、前の章のとおり法律上の連帯納付義務があります9,10。それ以外の方については、相続人は相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する、というのが民法の定めです15。相続を放棄した方は、初めから相続人でなかったものとみなされます15。個別にどうなるかは、当サイトでは判断できません。
相続税との関係未納分は債務控除の対象になり得ます
相続税法は、控除できる債務として「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)」を挙げ、確実と認められるものに限るとしています16。相続税の申告をされる場合は、納付書を捨てずに残しておいてください。
放置した場合督促と延滞金
名古屋市介護保険条例は、納期限までに完納しない場合、市長は納期限後100日以内に期限を指定して督促状を発しなければならないとし、納期限後に納付する場合は延滞金を加算すると定めています(特別の理由があると認めるときは減免することができる、とも書かれています)12。判断に迷うときは、納めてしまう前に区役所へご相談ください。
還付のほうは、自動的に振り込まれる場合と、請求が要る場合の二つです。名古屋市の案内は、こう整理しています。
証明書類のところが、いちばん手間に見えるところです。ただし名古屋市は、亡くなられた被保険者と同一世帯の世帯主であった配偶者・子が請求する場合は原則不要としています17。それ以外の順位の方が請求する場合は戸籍謄本の束が要りますが、法務局が発行する法定相続情報一覧図があれば戸籍謄本は不要です17。一覧図の写しは無料で交付され、年金等の手続にも使えます18。ほかの手続きでも同じ束を出す場面が続くなら、先に取っておくと楽です。
後期高齢者医療のほうは、口座振替を申し込んでいた場合、還付金は原則としてその口座へ振り込まれます。ただし被保険者本人名義の口座に限られ、納付方法が変更となった場合などはこの限りではないと市は書いています11。
2年で時効になります
時効の条文は、還付を受ける権利と並べて「保険給付を受ける権利」も2年としています9。受け取り忘れがいちばん起きやすいのが、高額介護サービス費です。
介護保険法は、利用者負担額が著しく高額であるときに高額介護サービス費を支給すると定めています9。名古屋市は、申請が必要な方におおむねサービス利用月の2か月後以降に案内を送っており、被保険者が亡くなっていて相続人等が申請する場合の必要書類も別に示しています19。窓口申請に必要なものは、支給申請書、介護保険被保険者証、成年後見人または相続人等であることを証明する資料(必要な場合のみ)、申請者名義の預金通帳など口座が確認できるものです19。
案内の封筒は、亡くなったあとにも届きます。開封して、支給申請のお知らせが入っていたら、それは受け取れるお金の案内です。
準確定申告をされる場合
もうひとつ、細かいところですが実務で困ります。名古屋市は後期高齢者医療保険料の「年間納付額のお知らせ」について、死亡した方を除く被保険者へ送ると書いています11。亡くなった方の分は、この通知では確認できません。金額が必要な場合は、お住まいの区の区役所保険年金課へ問い合わせるよう案内されています11。
期限のある手続きはこちらの一覧にまとめています。お部屋のことは、この一巡が終わってからで構いません。
省令は十四日以内としていますが、過ぎた場合の扱いは窓口での確認になります。気づいた時点で、介護保険はお住まいの区の区役所福祉課、後期高齢者医療は区役所保険年金課へご相談ください。当サイトでは個別の可否を判断できません。2,3,4,5
年金の支払いが止まると、そこから引かれていた特別徴収も止まります。まだ納めていない分は普通徴収に切り替わるため、納付書が届きます。名古屋市の条例では保険料は資格を喪失した日の属する月の前月分まで月割で算定されますので、金額に疑問があるときは納める前に区役所へお尋ねください。9,6,12
当サイトでは判断できません。名古屋市は還付請求ができる方に相続人等を挙げていますが、受け取る行為が相続の場面でどう扱われるかは別の問題です。お金を受け取る手続きの前に、弁護士または司法書士にご確認ください。17,15
十四日以内という期限は省令の定めなので全国共通ですが、窓口の課の名称や持ち物、還付請求の書式は市区町村ごとに違います。お住まいの自治体のページか窓口でご確認ください。「◯◯市 介護保険 資格喪失 届出」で検索すると見つかります。2,3
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