はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

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コラム/亡くなった後の実務

言葉にしづらいものを、扱うためにそのにおいは、
何のにおいなのか。

お部屋に入って、どう説明していいか分からないにおいに出会うことがあります。インターネットには「どんなにおいか」を細かく描写した記事がありますが、読んで気持ちが重くなるだけで、判断は進みません

このページでは描写をしません。代わりに、国が名前をつけて測り方まで決めている物質という枠組みから、次にやることを決められるところまで持っていきます。

段ボール箱を開ける手元

国は、においに名前をつけています

悪臭防止法は、不快なにおいの原因となり、生活環境を損なうおそれのある物質を政令で指定しています。これを特定悪臭物質と呼び、現在22物質が指定されています1

測定方法を定めた告示には、メチルメルカプタン・硫化水素・硫化メチル・二硫化メチルといった物質名が挙げられ、それぞれの測り方が決められています2

ここで押さえたいのは、物質名を覚えることではありません。言葉にしづらいにおいであっても、名前のない現象ではないということです。測れるものとして扱えれば、感想ではなく手順で対処できます。

規制の見方が、2通りあります

同じ資料に、規制の仕組みが2通り書かれています1

  • 物質の濃度で見る特定悪臭物質の濃度を測る方法です。物質ごとに基準を定めます。
  • 臭気指数で見る人間の嗅覚によってにおいの程度を数値化したものです。機械ではなく人の鼻が物差しになります。

「においを人が測る」という考え方が法律にあるのは、意外に思われるかもしれません。この物差しを扱う国家資格が臭気判定士です。別の記事にまとめました。

なお、これらは工場や事業場などの規制の枠組みです。お部屋の中のにおいを、この基準で判定する制度は確認できていません。ここから先は、法律の話ではなく現場の話になります。

強さより、位置で決まります

お部屋での判断で大事なのは、においの強さではなく発生源がどこにあるかです。

亡くなってから時間が経った場合、体液の漏出や臭気が生じることが法医学の総説で指摘されています3。漏れたものが床材の継ぎ目や下地に届いていれば、表面をどれだけ拭いても発生源はそこに残ります

だから、においが弱くても撤去が必要な場合があり、強くても表面で収まる場合があります。「どのくらい臭うか」ではなく「どこまで染みているか」を確かめるのが順番です。

いま、できること

1窓を開ける前に、写真を撮る

床・壁の下部・巾木のまわり・家具の下。あとで見積を比べるときの材料になります。換気そのものは、においを外に薄めて出す方法(希釈・拡散)で、発生源が残っていれば止めれば戻ります4

2消臭剤を足す前に、範囲を確かめる

国の手引きは、消・脱臭剤の散布処理について「効果は一時的である」と明記しています4。上から香りを足すと、範囲の確認がしにくくなります。

3見積で「どこまで剥がすか」を聞く

脱臭の項目より前に、床材の撤去や下地の処理の範囲が書かれているかを見てください。方式の話はそのあとの空気の話です。

この記事の要点

よくあるご質問

においで健康に影響はありますか

お部屋のにおいと健康影響を結びつけた公的資料は、当サイトの調査では確認できませんでした。悪臭防止法の枠組みは工場や事業場などの生活環境の保全を目的としたもので、居室の判定基準ではありません。体調に不安がある場合は、無理をせず医療機関にご相談ください。1

市販の消臭剤で消えたように感じます

表面に届く範囲であれば効果があります。ただし、床材の継ぎ目や下地まで達している場合は、上から香りを足すことになり、時間が経つと元に戻ります。感じ方が変わっただけかどうかは、範囲の確認をしてからでないと分かりません。4,3

近隣から指摘されています。どこに相談すればいいですか

建物の中の話であれば、賃貸なら管理会社、分譲なら管理組合が窓口です。屋外に及んでいる場合は、自治体の環境部門が悪臭防止法の担当窓口になります。名古屋市の窓口は市のページにまとめています。1

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出典

  1. 環境省「悪臭防止法の概要(特定悪臭物質22物質・臭気指数による規制)」https://www.env.go.jp/air/akushu/low-gaiyo.html(2026-08-18取得)
  2. 環境省「特定悪臭物質の測定の方法(メチルメルカプタン・硫化水素・硫化メチル・二硫化メチル等)」https://www.env.go.jp/hourei/10/000022.html(2026-08-18取得)
  3. 日本医科大学医学会「金涌佳雅「孤立(孤独)死とその実態」日本医科大学医学会雑誌 2018年14巻3号 100-112頁」https://www.nms.ac.jp/sh/jmanms/pdf/014030100.pdf(2026-08-04取得)
  4. 環境省環境管理局大気生活環境室「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)脱臭技術一覧・脱臭効率一覧」https://www.env.go.jp/content/900397525.pdf(2026-08-11取得)

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