はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

コラム/会社の選び方

見積に並ぶ言葉を、分ける「消毒」と「消臭」は、
別の作業です。

消毒と消臭は、目的が違う作業です。消毒しただけで臭いまで取れたことにはなりません。特殊清掃の見積では「清掃・消毒・消臭」を分けて、作業範囲と金額を確認します。

「除菌」という表記も、名称だけでは内容が分かりません。何を使い、どの場所に、どんな処理をするかまで確認しましょう。薬剤の注意点は、公的資料とともに以下で説明します。

床や壁に残る臭いの確認を表すイラスト

対象が違います

  • 消毒・除菌対象は微生物です。モノの表面や手指に薬剤を使って行います。
  • 消臭・脱臭対象はにおいの成分です。酸化分解・吸着・洗浄など、方式ごとに仕組みが違います1。
  • 清掃汚れそのものを取り除く作業です。上の2つの前提になります。

だから「消毒したのに、においが残っている」は矛盾ではありません。対象が違うからです。逆に「脱臭したから衛生的にも問題ない」とも言えません。

見積では、行を分けてもらう

お願いする一文「清掃・消毒・消臭を別の行にした見積をいただけますか。消毒はどの薬剤を、どの範囲に使いますか」

行が分かれていれば、あとで「消毒はしたが消臭はしていない」といった食い違いが起きません。国民生活センターには、見積より高い金額を後から請求される相談が繰り返し寄せられています3。

発生源が床材の下に残っていれば、消毒しても脱臭してもにおいは戻ります4。見積で最初に見るのは、やはり撤去・下地処理の範囲です。

国が示している、消毒剤の使い方

厚生労働省・経済産業省・消費者庁の特設ページには、次のように書かれています2。

  • 消毒用エタノール濃度70%以上95%以下のエタノールが挙げられています。手指とモノの表面に使えます。引火性があり、空間への噴霧はしないよう強い調子で明記されています。
  • 次亜塩素酸ナトリウムテーブルやドアノブなどモノの表面に使えます。手指には使えず、空間噴霧もできません。金属は腐食する可能性があり、酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生して危険とされています。

そしてもう一つ、順番の話が書かれています。「消毒したいモノの汚れをあらかじめ落としておきます」2。つまり清掃が先で、消毒は後です。

お部屋の作業に引き直すと、こうなります。汚損の除去(必要なら床材の撤去)→ 消毒 → 脱臭。この順番が崩れている説明を受けたら、理由を聞いてください。

「空間に噴霧します」と言われたら

上のとおり、エタノールについては空間への噴霧をしないよう明記され、次亜塩素酸ナトリウムについても空間噴霧はできないと書かれています2。

作業の説明で空間噴霧が出てきた場合は、何を、どの濃度で、なぜ噴霧するのかを確かめてください。オゾンなどの脱臭は薬剤の噴霧とは別の仕組みですが、その場合も濃度と時間、入室してよい時期の説明が必要です(オゾンの記事)。

この記事の要点

よくあるご質問

感染症が心配です。消毒は必須ですか

お部屋の状況によります。当サイトは医療や感染症の判断ができません。国の特設ページは消毒剤の使い方を示していますが、どの場面で必要かの判断は保健所や医療機関にご相談ください。2

自分で消毒してもいいですか

国の特設ページに使い方と注意が書かれています。エタノールは引火性があり空間への噴霧をしないこと、次亜塩素酸ナトリウムは手指に使えず酸性のものと混ぜると危険なこと、汚れを先に落とすこと。この3点は必ず守ってください。汚損が床材の下まで達している場合は、ご自身での作業では届きません。2,4

「除菌」と「消毒」は違うのですか

当サイトでは、用語の定義を独自に決めることはしません。見積に書かれている場合は、言葉ではなく「どの薬剤を、どの範囲に、どう使うのか」を聞いてください。答えられるかどうかが判断材料になります。

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出典

  1. 環境省環境管理局大気生活環境室「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)脱臭技術一覧・脱臭効率一覧」https://www.env.go.jp/content/900397525.pdf(2026-08-11取得)
  2. 厚生労働省・経済産業省・消費者庁「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(消毒用エタノール・次亜塩素酸ナトリウムの使い方と注意)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html(2026-08-18取得)
  3. 独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル(2018年7月19日公表)」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html(2026-09-22取得)
  4. 日本医科大学医学会「金涌佳雅「孤立(孤独)死とその実態」日本医科大学医学会雑誌 2018年14巻3号 100-112頁」https://www.nms.ac.jp/sh/jmanms/pdf/014030100.pdf(2026-08-04取得)

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