はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

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コラム/契約と消費者トラブル

見積を取る前に「込み込み」と
書いてあっても。

片付けを頼もうとして検索すると、「定額パック」「積み放題」「追加費用一切なし」といった表示をよく見かけます。分かりやすくて、安心できる書き方です。

ただ、その表示そのものが問題になり、国が注意喚起を出した実例があります。どこが問題になったのかを知っておくと、見積を取る前の段階で自衛できます。

実際にあったこと

消費者庁は2022年(令和4年)6月1日、不用品・粗大ごみ回収サービスを提供する事業者について注意喚起を公表しました。消費者庁と福岡県・熊本県の合同調査によるものです1

問題になった表示は、次のようなものでした。

お得な定額パック 定額パック料金は、全てが込み込みの料金。

追加費用一切なし! 定額パック料金に全て含まれています。

消費者庁の注意喚起に記載された表示1

実際に起きたことは、こう書かれています。

定額パック料金以外に、ウェブサイトに表示されていなかった処分費用等の名目で想定していたよりも高額な料金を請求された。

1

対象となったのはADW株式会社および株式会社Triple Rです1

この記事が言えること・言えないこと

「定額パックを掲げている会社は危ない」とは書きません。明確な料金体系を掲げること自体は、むしろ読者にとって良いことです。

ここで確認できるのは、この2社がそういう表示をして、実際には別の名目で請求していたという事実だけです。表示の形ではなく、表示と請求が一致しているかが問題でした。

なぜ「込み込み」が成立しにくいのか

亡くなった後のお部屋の片付けには、事前に確定できない部分があります。

  • 量が開けてみないと分からない。押入れや天袋の中は、見積の時点で全部は見られません
  • 処分費が品目で変わる。家電リサイクル法の対象品目、消火器、金庫、ピアノなどは別扱いになるのが一般的です
  • 作業の範囲が動く。床材に染みていれば撤去が加わります

だからこそ、「全部込み」と言い切れる範囲がどこまでなのかが実質的な争点になります。言い切れないものを言い切ると、あとで別名目の請求が生まれます。上の事例で起きたのは、この形でした。

当サイトが相場の金額を出していないのも同じ理由です。においが消えないときにも書いたとおり、開けてみないと確定しない工程があるので、金額そのものより「追加が出る条件」を先に決めるほうが実務的です。

契約の前に、この4つを書面で

1「この金額に含まれないものは何ですか」

「含まれるもの」ではなく「含まれないもの」を聞いてください。含まれるものは広告に書いてあります。トラブルになるのは、いつも書いていない側です。

2「追加が出るとしたら、どういう場合に、いくらくらいですか」

条件と、おおよその幅を聞きます。この答えを書面に残してもらってください。「その時になってみないと分からない」だけで終わる場合は、いったん持ち帰ってください。

3「積んだ後に金額が変わることはありますか」

上の事例で起きたのは、作業が進んでから請求が増える形でした。トラックに積んでしまうと、断りにくくなります。先に確認しておく質問です。

4「見積書に内訳を書いてもらえますか」

品目ごと、工程ごとに分かれていれば、後から動いた行がどれか分かります。読み方は「一式」の見積書に書きました。

契約してしまった場合

訪問を受けてその場で契約した場合は、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば、理由なく解除できます2

役務の提供を受けていても、事業者は対価を請求できず、原状回復を無償で請求できます。これに反する特約は無効です3。詳しくは契約したあとの8日間に書いています。

相談先は消費生活センターです。全国共通の消費者ホットライン 188(局番なし)でお近くの窓口につながります。名古屋市消費生活センターは 052-222-9671 です。

無許可の回収業者にも注意してください

家庭から出た廃棄物を業として運ぶには、市町村ごとの一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。国民生活センターには、この許可を受けずに違法に回収を行う事業者をめぐる相談が寄せられています4

渡した後の責任は、出した側にも残ります。無許可の回収業者と、排出者責任に整理しました。

よくあるご質問

「定額パック」と書いてある会社は避けたほうがいいですか

そうとは限りません。料金体系を明確に示すこと自体は良いことです。確認できているのは、消費者庁が注意喚起した2社が「全てが込み込み」「追加費用一切なし」と表示しながら、別名目で高額な請求をしていたという事実です。表示の形ではなく、含まれないものが何かを聞いて確かめてください。1

積んだ後に「処分費が別途かかる」と言われました

同じ形の相談が消費者庁の注意喚起に記載されています。その場で支払う前に、事前の見積書と広告の表示を手元に集めてください。訪問を受けてその場で契約した場合は、法定書面の受領日から8日以内であれば解除できます。消費者ホットライン188にもご相談ください。1,2

見積のときに全部は見せられません。押入れの中が分からなくて

それで構いません。むしろ、その状態で「全部込みでいくら」と即答する会社のほうが心配です。開けてみないと分からない部分があることを前提に、追加が出る条件を先に決めておくのが実務的です。

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出典

  1. 消費者庁「ウェブサイト上で「お得な定額パック 定額パック料金は、全てが込み込みの料金」などの広告・表示をして不用品・粗大ごみ回収サービスを提供する事業者に関する注意喚起(令和4年6月1日)」https://www.caa.go.jp/notice/entry/028878/(2026-08-12取得)
  2. 消費者庁「訪問販売(特定商取引法ガイド)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/(2026-08-04取得)
  3. e-Gov法令検索(デジタル庁)「特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第9条(訪問販売における契約の申込みの撤回等)」https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057(2026-08-09取得)
  4. 独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル──市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!(2022年11月2日公表)」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html(2026-08-04取得)

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