はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

コラム/亡くなった後の実務

特殊清掃をしないとどうなる?放置で広がるのは、
汚染と、費用です。

結論から書きます。汚染は時間とともに表面から床下・壁の下地へ広がり、手を入れる範囲が増えるぶん費用が増えます。賃貸なら原状回復の話も重なります。

ただし、日数ごとに臭いがどれだけ強くなるかといった数字を示した公的資料はありません。このページは、料金表を公開している会社が挙げる変動要因と、保険協会のレポートにある実データだけで書いています。

床や壁に残る臭いの確認を表すイラスト

時間が経つと、手を入れる範囲が広がります

料金表を公開している会社は、金額が動く理由を公開しています。リスクベネフィットは「遺体が長く放置されている場合は清掃費用が高くなる」とし1、ブルークリーンは変動要因として「汚染の深さ(床下・壁下地への浸透)」を挙げています2。

つまり、特殊清掃をしないまま時間が経つことで起きるのは、汚れが「表面」から「床材の下」「壁の下地」へ進むことです。表面の清掃と消臭で済んだはずの作業が、床材の撤去、下地の処理、場合によっては躯体の処理まで広がります。

  1. 発見から数日表面の清掃・消毒
  2. 1〜2週間床材の撤去・消臭処理
  3. 1か月以上下地・壁の内側・害虫の対応
  4. 数か月躯体の処理・原状回復・リフォーム
経過した日数が長いほど、手を入れる範囲は表面から建物の内側へ広がります。金額は部屋の状態によって変わるため、当サイトでは相場としての数字を出していません。

当サイトが集計した各社の公開単価では、床材・壁材の撤去は3万〜15万円、床下の消毒・防臭処理は2.5万〜20万円の幅で、表面の清掃だけの場合には無い行です。この2行が見積に加わるだけで、1R・1Kの帯の上端に届きます(費用の案内の計算例)。

虫は、表面で駆除しても止まりません

汚染が残ったままだと、虫の発生源も残ります。厚生労働省は建築物の衛生管理について、発生源への対処を含むIPM(総合的有害生物管理)という考え方を示しています3。殺虫剤で表面の虫を減らしても、発生源である汚染箇所を処理しない限り、同じことが繰り返されます。

集合住宅では、臭いと虫は部屋の中にとどまりません。近隣への影響が出てから対応すると、清掃とは別に、管理会社や近隣との話が増えます(虫が出てしまったとき)。

実データで見る、損害額と発見までの日数

日本少額短期保険協会のレポートには、賃貸住宅で入居者が亡くなった場合の保険金支払いの実績が載っています。2024年度の原状回復費用の平均損害額は494,344円、最大損害額は7,564,673円でした4。遺品整理費用の平均損害額は294,131円です4。

同じレポートの累積データでは、発見までの日数は平均19日。3日以内が37.0%、4〜14日が28.3%、15〜29日が15.4%、30〜89日が15.8%、90日以上が3.5%です4。

この2つの数字は、直接は結びついていません

レポートは「発見までの日数が長いほど損害額が大きい」という形では集計していません。当サイトも、そこをつないで断定はしません。

言えるのは、原状回復の損害額には最大で756万円という事例があり、各社が放置期間と汚染の深さを費用の変動要因に挙げている、という2つの事実までです。

賃貸の場合は、原状回復の義務が重なります

賃貸なら、片付けないままでは済みません。民法は、借主が通常の使用による損耗と経年変化を除いて、部屋を元に戻す義務を負うと定めています5。亡くなった方の相続人がこの義務を承継します5。

貸主や管理会社から見れば、汚染が広がるほど原状回復の工事が大きくなり、次の入居までの期間も延びます。費用を誰が負担するかは特殊清掃の費用は誰が払うのかに、貸主側の実務は賃貸で入居者が亡くなったらにまとめています。

「しない」と「自分でやる」は別の話です

業者に頼まない選択はあります。ただし、出た家財を運ぶには市町村ごとの一般廃棄物収集運搬業の許可が要り6,7、汚染が床下まで達している場合は表面の清掃では止まりません。ご自身でやる場合に先に知っておくことは自分で片付けようと思っている方へに分けて書きました。

何もしないまま置いておく選択は、おすすめできません。急いで契約する必要はありませんが、鍵が戻った時点で写真を撮り、2〜3社に項目別の見積を頼むところまでは早めに進めてください。訪問を受けてその場で契約しても、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば理由なく解除できます8。

よくあるご質問

孤独死現場の特殊清掃をしないとどうなる?

汚染が表面から床材の下や壁の下地へ広がり、清掃・消臭だけで済んだ作業が、床材の撤去や下地の処理まで広がります。料金表を公開している会社は、放置期間と汚染の深さを費用の変動要因に挙げています。賃貸では原状回復の義務も重なります。1,2,5

何日以内なら表面の清掃で済みますか

日数で線を引ける公的資料はありません。会社が見ているのは日数そのものではなく、汚染が床下や壁の下地まで達しているかどうかです。鍵が戻った時点で写真を撮り、現地を見てもらって判断してください。

賃貸で、特殊清掃をしないまま退去できますか

借主には、通常の使用による損耗と経年変化を除いて部屋を元に戻す義務があり、相続人がこれを承継します。契約書の原状回復の条項と、貸主・管理会社との取り決めを先に確認してください。5

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出典

  1. 株式会社リスクベネフィット「特殊清掃の料金実例」https://www.riskbenefit.co.jp/topics/tokusyuseisou/503.html(2026-08-04取得)
  2. ブルークリーン株式会社「特殊清掃の料金・費用(パッケージプラン参考価格)」https://b-clean.jp/owned/fee/(2026-08-04取得)
  3. 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル 第6章 ねずみ等の防除──IPM(総合的有害生物管理)の施工方法」https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei09/pdf/03g.pdf(2026-08-13取得)
  4. 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第10回 孤独死現状レポート(2025年12月発行)」https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/kodokusiReport_10th.pdf(2026-08-04取得)
  5. e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治29年法律第89号)第143条・第7条・第11条・第15条・第465条の2・第465条の4・第606条・第607条の2・第608条・第611条・第616条の2・第621条・第653条・第654条・第656条・第885条・第896条・第897条・第898条・第899条・第904条の3・第906条・第907条・第909条の2・第915条・第921条・第939条・第940条・第459条(委託を受けた保証人の求償権)」https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026-08-18取得)
  6. 法務省 日本法令外国語訳データベースシステム「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第2条・第7条)」https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/4529(2026-08-04取得)
  7. 環境省「一般廃棄物処理業の許可について」https://www.env.go.jp/hourei/11/000010.html(2026-08-04取得)
  8. 消費者庁「訪問販売(特定商取引法ガイド)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/(2026-08-04取得)

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