はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

コラム/統計の読み方

行方不明者届のあと届け出たその日に、
半数近くの所在が確認されています。

警察に届けを出して、あとは待つことになった。どのくらい待つのか、見当がつかない。そういう時間を過ごしている方に向けて書きます。

警察庁が毎年公表している統計に、届出の受理から所在が確認されるまでの期間の集計があります。急かすためではなく、待つ時間の輪郭を持っていただくために、数字をそのまま置きます。

机に広げた書類と電卓、ルーペ

どの統計の話か

使うのは、警察庁生活安全局人身安全・少年課が令和8年6月に公表した「令和7年における行方不明者届受理等の状況」です1。14ページの資料で、行方不明者届の受理数と、そのうち所在が確認された方の内訳が並んでいます。

読む前に、資料の凡例で用語が定義されています。ここを外すと数字の意味が変わります1。

  • 行方不明者警察に行方不明者届が出された方をいいます。届が出ていない方は入りません。
  • 行方不明者数届が出された方の数で、延べ人数です。同じ方が年内に二度届け出されれば、二人として数えられます。
  • 所在確認警察または届出人等において所在が確認されたものをいいます。ご家族がご自身で見つけた場合も含みます。
  • 死亡確認警察において死亡が確認されたものをいいます。

令和7年の行方不明者数は80,486人で、前年より2,077人減っています1。

この記事と、手続きのページの役割の違い

行方不明者届を誰が出せるのか、何を聴かれるのか、何を持っていけばよいのか——手続きの側は、国家公安委員会規則の条文にもとづいて連絡が取れないときにまとめてあります2。届出をまだ出していない段階でしたら、先にそちらをご覧ください。

この記事は手続きには触れません。届け出たあと、実際に何日で所在が確認されているかという統計だけを扱います。

受理から所在確認までの期間

令和7年中に所在確認等がなされた行方不明者は81,843人です(確認をした年次以前に受理した届出分を含みます)1。この方々を、届出が受理されてから確認までの期間で割ったのが次の表です。

届出受理からの期間所在確認死亡確認
受理当日33,322人826人
2日〜3日20,180人1,217人
4日〜7日4,129人462人
8日〜14日2,130人308人
15日〜1か月未満1,620人287人
1か月〜3か月未満1,894人270人
3か月〜6か月未満1,092人155人
6か月〜1年未満1,113人107人
1年〜2年未満975人74人
2年〜1,404人144人
合計67,859人3,850人

警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」5ページより1。このほかに「その他(届出が取り下げられたもの等)」が10,134人あります。67,859+3,850+10,134で、所在確認等の総数81,843人になります1。

資料本文は、期間についてこう書いています。

届出受理から所在確認(死亡確認、その他を除く。)までの期間は、受理当日が最も多く3万3,322人、次いで2日~3日以内の2万180人である。

警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和7年における行方不明者届受理等の状況」1

割合にすると、所在が確認された67,859人のうち受理当日が49.1%、受理当日と2日〜3日を合わせると53,502人で78.8%です1。届け出た方の側から見れば、所在が確認された方のおよそ8割は、3日以内に確認されていることになります。

長くかかる方もいます。1か月以上先で所在が確認された方は、1か月〜3か月未満の1,894人から2年以上の1,404人まで合わせて6,478人。ここも同じ資料の同じ表にある数字です1。

この表の起点は、いなくなった日ではありません

表のいちばん左は「受理当日」です。いなくなった日ではなく、届出が受理された日から数えています。凡例のとおり、この統計でいう行方不明者は「警察に行方不明者届が出された者」だからです1。

ということは、こうなります。届けようかどうか迷っている日数は、この表のどこにも現れません。表の外側に、そのまま積み上がります。3日連絡が取れずに迷ってから届け出て、その日に所在が確認された方は、この表では「受理当日」の一人です。

ただし、この表は「早く届ければ早く見つかる」を示した資料ではありません

集計は、届出が早かった方と遅かった方を分けていません。届出の早さと確認までの速さの関係は、この統計からは取り出せない、ということです。当サイトは、この表を根拠に因果を主張しません。

この表から言えるのは、警察の発見活動の時計が、届出の受理から動き始めるということまでです。

その発見活動の内容は、国家公安委員会規則で決まっています。規則は、活動の基本の第一に「行方不明者の生命及び身体の保護を図るため、迅速かつ的確に対応すること」を掲げています2。届出を受理した警察署長には、届出人から本人の特徴やいなくなった状況を聴取すること、写真その他の資料の提出を求めること、行方不明者届受理票を作成することが求められます2。

あわせて、規則は「病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの」を特異行方不明者として区分しています2。ご高齢であることや持病があることは、様子を見る理由ではなく、扱いを重くする事情として条文に書かれている、ということです。

認知症の場合

令和7年の行方不明者のうち、原因・動機が認知症(またはその疑い)だった方は17,345人で、全体の21.6%にあたります。前年より776人減りました1。この方々だけを取り出した期間の表が、資料の6ページにあります。

届出受理からの期間所在確認死亡確認
受理当日11,369人127人
2日〜3日4,487人187人
4日〜7日195人67人
8日〜14日58人48人
15日〜1か月未満23人45人
1か月〜3か月未満21人48人
3か月〜6か月未満1人19人
6か月〜1年未満1人11人
1年〜2年未満1人13人
2年〜0人8人
合計16,156人573人

同資料6ページより1。ほかに「その他」が539人。3つを足すと17,268人になり、後述の発見の端緒の母数と一致します。

いちばん上の2行が、この表のほとんどです。受理当日と2日〜3日で15,856人。所在確認・死亡確認された16,729人に対して94.8%にあたります1。警察庁はこれを「約95%が受理から3日以内に所在確認されており、迅速な発見活動を展開することが重要」と要約しています1。

そのうえで、資料は3日を過ぎた場合についても数字を出しています。

受理から4日以降に所在確認・死亡確認された認知症行方不明者のうち、所在確認された者の割合は53.7%(559人中300人)。受理から15日以降は死亡確認の割合の方が高くなる。

警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和7年における行方不明者届受理等の状況」トピックス1

表の上で見ると、入れ替わる場所がはっきりしています。8日〜14日までは所在確認58人に対し死亡確認48人。次の15日〜1か月未満で23人と45人になり、そこから先はどの区分も死亡確認のほうが多くなります1。

この数字の置き場所について

いま届出を出して待っておられる方にとって、この一節は読むのがつらい数字だと思います。それでも書いたのは、ご家族が「もう少し様子を見よう」と判断する材料になり得ると考えたからです。

資料が示しているのは全体の分布であって、個々の方がどうなるかを予言する数字ではありません。目の前の一件について、この表は何も言っていません。

GPS機器等を持っていた139人

同じ資料のトピックスに、GPS機器等を使って所在確認・死亡確認された認知症行方不明者の集計があります。凡例では、GPS機器等を「自らの位置情報を記録又は送信する機器のほか、紛失防止タグ」と定義しています1。専用の見守り端末だけではなく、鍵や財布につける小さなタグも含まれます。

区分母数受理当日に所在確認
GPS機器等の活用により確認された方139人118人(84.9%)1
所在確認・死亡確認された認知症行方不明者の全体16,729人11,369人(68.0%)1

139人の内訳は、受理当日の所在確認が118人、2日〜3日が18人。死亡確認は当日・8日〜14日・1か月〜3か月未満に各1人でした1。資料が挙げている事例のひとつでは、ご家族が持たせていた機器の位置情報から電車での県外への移動が分かり、受理から約2時間後、自宅から約130キロメートル離れた駅構内で無事に発見・保護されています1。

139人という母数について

全体の16,729人に対して139人ですから、この比較は小さな母数どうしの比較です。機器を持たせているご家庭は、ふだんの見守りも手厚い可能性があり、差が機器だけによるものかどうかは、この集計からは分かりません。

当サイトとしては、機器の効果を断定できません。警察庁が「GPS機器等は、迅速・的確な発見活動を展開する上で有効」と書いていること1を、そのまま置くところまでにします。貸与の制度があるかどうかは市区町村によって違いますので、お住まいの市の高齢福祉の窓口にお尋ねください。名古屋市なら、いきいき支援センター(地域包括支援センター)が最初の相談先になります3。

見つけているのは、警察だけではありません

資料には、認知症行方不明者が何をきっかけに見つかったかの集計もあります。所在確認等がなされた17,268人の内訳です1。

発見の端緒人数資料の定義
民間通報8,114人(47.0%)民間からの通報により行方不明者を発見した場合1
その他5,746人上記に該当しない警察活動により発見した場合(届出の取下げ、自らの帰宅など)1
職務質問2,037人警ら、検問、交通取締り、捜査その他の警察活動中の職務質問により発見した場合1
立ち回り調査1,021人立ち回り見込先の調査により発見した場合1
保護願出326人行方不明者からの保護願出により発見した場合1

同資料11ページより。このほか犯罪捜査17人、立入調査等7人、少年補導0人1。

最も多いのは、警察官が見つけた件数ではなく民間からの通報で、47.0%を占めます1。資料が挙げている事例では、受理直後に警察から情報提供を受けた自治体が防災行政無線や公式SNSで広報し、それを見た地域の方が本人を見つけて警察へ通報した、という経過をたどっています1。受理から約2時間後のことでした。

警察庁はこの集計に「関係行政機関等との間で構築している発見・保護のためのネットワーク等と連携し、迅速・多角的な発見活動を早期に展開することが必要」という見出しを付けています1。届け出るという行為は、警察に探してもらうことであると同時に、その情報が地域に回る回路を開くことでもある、と読めます。

なお、見つかったあとの連絡についても規則に定めがあります。受理した警察署長は、発見または死亡確認の日時・場所・状況その他必要な事項を、速やかに届出人へ通知しなければならないとされています(本人の意思その他の事情を考慮して、通知しない場合や事項を限る場合の定めもあります)2。届けが宙に浮くことはありません。

この統計が答えないこと

最後に、読み違えやすいところを4つ挙げます。

1個別の見通しは、どこにも書いてありません

表は令和7年の全国の分布です。お一人の方について何日で確認されるかは、この資料から分かりません。当サイトも判断できません。日々の状況は、届出を受理した警察署にお尋ねください。

2人数は延べ人数です

凡例のとおり、行方不明者数は届が出された方の延べ人数です1。年内に繰り返し届け出された方は、そのたびに数えられています。「80,486人の別々の方」ではありません。

3受理した年と、確認した年はずれます

所在確認等の81,843人には、確認をした年次以前に受理した届出分が含まれています1。受理数80,486人との差は、そのためです。1年の受理と1年の確認を引き算しても、未確認の人数にはなりません。

4原因・動機は、届け出た人の申出です

資料は、原因・動機を「行方不明者届受理時に届出人から申出のあったものを計上」と注記しています1。実際、令和7年は不詳が20,653人(25.7%)でした1。認知症の17,345人も、届出の時点で申出があった分の集計です。

待っている間にできることは、統計の側にはありません。手段を変えて連絡する、まわりに聞く、部屋の外から確かめる——その順番は連絡が取れないときに置いてあります。誰が最初に気づいているかという別の統計は、第一発見者の記事にまとめました。

この記事の要点

よくあるご質問

受理当日に3万人以上が見つかっているなら、うちも今日中に見つかりますか

当サイトでは判断できません。この表は令和7年の全国の分布であって、個別の見通しを示すものではないからです。所在が確認された67,859人のうち受理当日が33,322人、3日以内で53,502人という割合が分かるだけです。届出後の状況は、受理した警察署にお尋ねください。1

まだ届け出るほどではない気がしています

統計の期間は届出の受理から数えられているので、迷っている日数はこの表に入りません。判断に迷う段階そのものが警察相談専用電話#9110の対象で、政府広報は緊急の場合の110番と使い分けるよう案内しています。規則は、病人・高齢者などで自救能力がないことにより生命または身体に危険が生じるおそれがある方を特異行方不明者として区分しています。ご高齢や持病は、待つ理由ではなく先に相談する理由になります。1,4,2

認知症の親を探しています。何日で線を引けばよいのでしょうか

線を引ける数字はありません。分かっているのは、所在確認・死亡確認された16,729人のうち94.8%が受理から3日以内に所在確認されていること、4日以降に確認された559人では所在確認が300人(53.7%)で、15日以降は死亡確認の割合のほうが高くなると警察庁が書いていることです。捜索を続けるかどうかの判断は、届出を受理した警察署とご相談ください。1

GPS機器を持たせておけば、見つかりますか

当サイトでは効果を断定できません。警察庁の集計はGPS機器等の活用により確認された139人という小さな母数で、そのうち118人(84.9%)が受理当日の所在確認でした。全体の受理当日の割合は68.0%です。機器を持たせているご家庭は日ごろの見守りも手厚い可能性があり、差の理由までは集計から分かりません。貸与の制度は市区町村ごとに違いますので、高齢福祉の窓口にお尋ねください。1

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出典

  1. 警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和7年における行方不明者届受理等の状況(令和8年6月・凡例/所在確認等の状況/認知症行方不明者の状況/トピックス「認知症行方不明者の早期発見に向けて」)」https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/R07yukuefumeisha.pdf(2026-09-05取得)
  2. e-Gov法令検索(デジタル庁)「行方不明者発見活動に関する規則(平成21年国家公安委員会規則第13号)第2条・第3条・第6条・第7条・第25条・第26条」https://laws.e-gov.go.jp/law/421M60400000013(2026-08-14取得)
  3. 名古屋市健康福祉局「いきいき支援センター(地域包括支援センター)」https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/koureisha/1016496/1016502.html(2026-08-09取得)
  4. 政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ」https://www.gov-online.go.jp/article/201309/entry-7508.html(2026-08-14取得)

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