受理当日に3万人以上が見つかっているなら、うちも今日中に見つかりますか
当サイトでは判断できません。この表は令和7年の全国の分布であって、個別の見通しを示すものではないからです。所在が確認された67,859人のうち受理当日が33,322人、3日以内で53,502人という割合が分かるだけです。届出後の状況は、受理した警察署にお尋ねください。1
コラム/統計の読み方
警察に届けを出して、あとは待つことになった。どのくらい待つのか、見当がつかない。そういう時間を過ごしている方に向けて書きます。
警察庁が毎年公表している統計に、届出の受理から所在が確認されるまでの期間の集計があります。急かすためではなく、待つ時間の輪郭を持っていただくために、数字をそのまま置きます。

使うのは、警察庁生活安全局人身安全・少年課が令和8年6月に公表した「令和7年における行方不明者届受理等の状況」です1。14ページの資料で、行方不明者届の受理数と、そのうち所在が確認された方の内訳が並んでいます。
読む前に、資料の凡例で用語が定義されています。ここを外すと数字の意味が変わります1。
令和7年の行方不明者数は80,486人で、前年より2,077人減っています1。
令和7年中に所在確認等がなされた行方不明者は81,843人です(確認をした年次以前に受理した届出分を含みます)1。この方々を、届出が受理されてから確認までの期間で割ったのが次の表です。
| 届出受理からの期間 | 所在確認 | 死亡確認 |
|---|---|---|
| 受理当日 | 33,322人 | 826人 |
| 2日〜3日 | 20,180人 | 1,217人 |
| 4日〜7日 | 4,129人 | 462人 |
| 8日〜14日 | 2,130人 | 308人 |
| 15日〜1か月未満 | 1,620人 | 287人 |
| 1か月〜3か月未満 | 1,894人 | 270人 |
| 3か月〜6か月未満 | 1,092人 | 155人 |
| 6か月〜1年未満 | 1,113人 | 107人 |
| 1年〜2年未満 | 975人 | 74人 |
| 2年〜 | 1,404人 | 144人 |
| 合計 | 67,859人 | 3,850人 |
警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」5ページより1。このほかに「その他(届出が取り下げられたもの等)」が10,134人あります。67,859+3,850+10,134で、所在確認等の総数81,843人になります1。
資料本文は、期間についてこう書いています。
届出受理から所在確認(死亡確認、その他を除く。)までの期間は、受理当日が最も多く3万3,322人、次いで2日~3日以内の2万180人である。
警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和7年における行方不明者届受理等の状況」1
割合にすると、所在が確認された67,859人のうち受理当日が49.1%、受理当日と2日〜3日を合わせると53,502人で78.8%です1。届け出た方の側から見れば、所在が確認された方のおよそ8割は、3日以内に確認されていることになります。
長くかかる方もいます。1か月以上先で所在が確認された方は、1か月〜3か月未満の1,894人から2年以上の1,404人まで合わせて6,478人。ここも同じ資料の同じ表にある数字です1。
表のいちばん左は「受理当日」です。いなくなった日ではなく、届出が受理された日から数えています。凡例のとおり、この統計でいう行方不明者は「警察に行方不明者届が出された者」だからです1。
ということは、こうなります。届けようかどうか迷っている日数は、この表のどこにも現れません。表の外側に、そのまま積み上がります。3日連絡が取れずに迷ってから届け出て、その日に所在が確認された方は、この表では「受理当日」の一人です。
ただし、この表は「早く届ければ早く見つかる」を示した資料ではありません
集計は、届出が早かった方と遅かった方を分けていません。届出の早さと確認までの速さの関係は、この統計からは取り出せない、ということです。当サイトは、この表を根拠に因果を主張しません。
この表から言えるのは、警察の発見活動の時計が、届出の受理から動き始めるということまでです。
その発見活動の内容は、国家公安委員会規則で決まっています。規則は、活動の基本の第一に「行方不明者の生命及び身体の保護を図るため、迅速かつ的確に対応すること」を掲げています2。届出を受理した警察署長には、届出人から本人の特徴やいなくなった状況を聴取すること、写真その他の資料の提出を求めること、行方不明者届受理票を作成することが求められます2。
あわせて、規則は「病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの」を特異行方不明者として区分しています2。ご高齢であることや持病があることは、様子を見る理由ではなく、扱いを重くする事情として条文に書かれている、ということです。
令和7年の行方不明者のうち、原因・動機が認知症(またはその疑い)だった方は17,345人で、全体の21.6%にあたります。前年より776人減りました1。この方々だけを取り出した期間の表が、資料の6ページにあります。
| 届出受理からの期間 | 所在確認 | 死亡確認 |
|---|---|---|
| 受理当日 | 11,369人 | 127人 |
| 2日〜3日 | 4,487人 | 187人 |
| 4日〜7日 | 195人 | 67人 |
| 8日〜14日 | 58人 | 48人 |
| 15日〜1か月未満 | 23人 | 45人 |
| 1か月〜3か月未満 | 21人 | 48人 |
| 3か月〜6か月未満 | 1人 | 19人 |
| 6か月〜1年未満 | 1人 | 11人 |
| 1年〜2年未満 | 1人 | 13人 |
| 2年〜 | 0人 | 8人 |
| 合計 | 16,156人 | 573人 |
同資料6ページより1。ほかに「その他」が539人。3つを足すと17,268人になり、後述の発見の端緒の母数と一致します。
いちばん上の2行が、この表のほとんどです。受理当日と2日〜3日で15,856人。所在確認・死亡確認された16,729人に対して94.8%にあたります1。警察庁はこれを「約95%が受理から3日以内に所在確認されており、迅速な発見活動を展開することが重要」と要約しています1。
そのうえで、資料は3日を過ぎた場合についても数字を出しています。
受理から4日以降に所在確認・死亡確認された認知症行方不明者のうち、所在確認された者の割合は53.7%(559人中300人)。受理から15日以降は死亡確認の割合の方が高くなる。
警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和7年における行方不明者届受理等の状況」トピックス1
表の上で見ると、入れ替わる場所がはっきりしています。8日〜14日までは所在確認58人に対し死亡確認48人。次の15日〜1か月未満で23人と45人になり、そこから先はどの区分も死亡確認のほうが多くなります1。
この数字の置き場所について
いま届出を出して待っておられる方にとって、この一節は読むのがつらい数字だと思います。それでも書いたのは、ご家族が「もう少し様子を見よう」と判断する材料になり得ると考えたからです。
資料が示しているのは全体の分布であって、個々の方がどうなるかを予言する数字ではありません。目の前の一件について、この表は何も言っていません。
同じ資料のトピックスに、GPS機器等を使って所在確認・死亡確認された認知症行方不明者の集計があります。凡例では、GPS機器等を「自らの位置情報を記録又は送信する機器のほか、紛失防止タグ」と定義しています1。専用の見守り端末だけではなく、鍵や財布につける小さなタグも含まれます。
139人の内訳は、受理当日の所在確認が118人、2日〜3日が18人。死亡確認は当日・8日〜14日・1か月〜3か月未満に各1人でした1。資料が挙げている事例のひとつでは、ご家族が持たせていた機器の位置情報から電車での県外への移動が分かり、受理から約2時間後、自宅から約130キロメートル離れた駅構内で無事に発見・保護されています1。
資料には、認知症行方不明者が何をきっかけに見つかったかの集計もあります。所在確認等がなされた17,268人の内訳です1。
| 発見の端緒 | 人数 | 資料の定義 |
|---|---|---|
| 民間通報 | 8,114人(47.0%) | 民間からの通報により行方不明者を発見した場合1 |
| その他 | 5,746人 | 上記に該当しない警察活動により発見した場合(届出の取下げ、自らの帰宅など)1 |
| 職務質問 | 2,037人 | 警ら、検問、交通取締り、捜査その他の警察活動中の職務質問により発見した場合1 |
| 立ち回り調査 | 1,021人 | 立ち回り見込先の調査により発見した場合1 |
| 保護願出 | 326人 | 行方不明者からの保護願出により発見した場合1 |
同資料11ページより。このほか犯罪捜査17人、立入調査等7人、少年補導0人1。
最も多いのは、警察官が見つけた件数ではなく民間からの通報で、47.0%を占めます1。資料が挙げている事例では、受理直後に警察から情報提供を受けた自治体が防災行政無線や公式SNSで広報し、それを見た地域の方が本人を見つけて警察へ通報した、という経過をたどっています1。受理から約2時間後のことでした。
警察庁はこの集計に「関係行政機関等との間で構築している発見・保護のためのネットワーク等と連携し、迅速・多角的な発見活動を早期に展開することが必要」という見出しを付けています1。届け出るという行為は、警察に探してもらうことであると同時に、その情報が地域に回る回路を開くことでもある、と読めます。
なお、見つかったあとの連絡についても規則に定めがあります。受理した警察署長は、発見または死亡確認の日時・場所・状況その他必要な事項を、速やかに届出人へ通知しなければならないとされています(本人の意思その他の事情を考慮して、通知しない場合や事項を限る場合の定めもあります)2。届けが宙に浮くことはありません。
最後に、読み違えやすいところを4つ挙げます。
1個別の見通しは、どこにも書いてありません
表は令和7年の全国の分布です。お一人の方について何日で確認されるかは、この資料から分かりません。当サイトも判断できません。日々の状況は、届出を受理した警察署にお尋ねください。
2人数は延べ人数です
凡例のとおり、行方不明者数は届が出された方の延べ人数です1。年内に繰り返し届け出された方は、そのたびに数えられています。「80,486人の別々の方」ではありません。
3受理した年と、確認した年はずれます
所在確認等の81,843人には、確認をした年次以前に受理した届出分が含まれています1。受理数80,486人との差は、そのためです。1年の受理と1年の確認を引き算しても、未確認の人数にはなりません。
待っている間にできることは、統計の側にはありません。手段を変えて連絡する、まわりに聞く、部屋の外から確かめる——その順番は連絡が取れないときに置いてあります。誰が最初に気づいているかという別の統計は、第一発見者の記事にまとめました。
当サイトでは判断できません。この表は令和7年の全国の分布であって、個別の見通しを示すものではないからです。所在が確認された67,859人のうち受理当日が33,322人、3日以内で53,502人という割合が分かるだけです。届出後の状況は、受理した警察署にお尋ねください。1
統計の期間は届出の受理から数えられているので、迷っている日数はこの表に入りません。判断に迷う段階そのものが警察相談専用電話#9110の対象で、政府広報は緊急の場合の110番と使い分けるよう案内しています。規則は、病人・高齢者などで自救能力がないことにより生命または身体に危険が生じるおそれがある方を特異行方不明者として区分しています。ご高齢や持病は、待つ理由ではなく先に相談する理由になります。1,4,2
線を引ける数字はありません。分かっているのは、所在確認・死亡確認された16,729人のうち94.8%が受理から3日以内に所在確認されていること、4日以降に確認された559人では所在確認が300人(53.7%)で、15日以降は死亡確認の割合のほうが高くなると警察庁が書いていることです。捜索を続けるかどうかの判断は、届出を受理した警察署とご相談ください。1
当サイトでは効果を断定できません。警察庁の集計はGPS機器等の活用により確認された139人という小さな母数で、そのうち118人(84.9%)が受理当日の所在確認でした。全体の受理当日の割合は68.0%です。機器を持たせているご家庭は日ごろの見守りも手厚い可能性があり、差の理由までは集計から分かりません。貸与の制度は市区町村ごとに違いますので、高齢福祉の窓口にお尋ねください。1
会社の許可・料金・サービス内容は変わります。当サイトは取得日を添えて記録していますが、依頼の前にご自身でも最新の内容をご確認ください。