はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

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コラム/亡くなった後の実務

警察の対応中の方へ待っている間にも、
できることがあります。

「まだ入らないでください」と言われたまま、日が過ぎている。連絡もなく、いつまでかも分からない。この時期がいちばん落ち着かないという方が多くいらっしゃいます。

何が行われているのかを、条文で確かめられる範囲だけ整理しました。そのうえで、待っている間に進められることを書きます。

順番が、条文で決まっています

まず、ご自宅で亡くなって、亡くなった理由がその場ではっきりしない場合には、刑事訴訟法の手続きが入ります。

変死者又は変死の疑のある死体があるときは、その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は、検視をしなければならない

検察官は、検察事務官又は司法警察員に前項の処分をさせることができる。

刑事訴訟法 第229条1

「変死」という言葉が使われますが、事件性があるという意味ではありません。亡くなった理由が明らかでない、という意味です。ご病気で亡くなっていても、お医者さんが診ていなければここに入ります。

そして、この検視が先に来ることが、別の法律で決まっています。

但し、変死体又は変死の疑がある死体については、刑事訴訟法第二百二十九条の規定による検視があつた後でなければ、検案又は解剖させることができない。

死体解剖保存法 第8条第1項ただし書2

検視 → 検案 → (必要なら)解剖という順序が、法律で固定されています。担当の方の都合で止まっているのではなく、順番を飛ばせない構造になっています。

解剖には、原則として遺族の承諾が要ります

死体解剖保存法7条は「死体の解剖をしようとする者は、その遺族の承諾を受けなければならない」と定めています2。ただし同条は、いくつかの例外も並べています2

説明を受けたときに分からないことがあれば、その場で聞いて構いません。「なぜ必要なのか」「どれくらいかかるのか」は、聞いてよい質問です。

「いつまで」は、当サイトでは答えられません

日数を書かないのは、書けないからです

「通常◯日程度」と書いてあるページを見かけますが、当サイトでは根拠になる公的資料を確認できませんでした。

検視の後に検案だけで終わるのか、解剖まで行うのか、どの機関が扱うのかで変わります。これはご担当の警察署に直接お尋ねいただくのが、いちばん確実で早いです。

聞き方としては「鍵はいつごろお返しいただけそうですか」「見込みが立ったら教えていただけますか」で十分です。急かしていると受け取られる心配はありません。片付けの手配に必要だ、と言えば伝わります。

連絡先が分からなくなっている場合は、最初に来られた警察署の代表番号にかけて、担当の方の所属を伝えれば繋いでもらえます。

待っている間に、進められること

入れないからといって、何もできないわけではありません。むしろ、この期間に決めておくと後が楽になることがあります。

1相続放棄をするかどうか、考え始める

これがいちばん急ぎます。熟慮期間は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月」です。そして片付けに手をつけた後では、放棄できなくなることがあります。部屋に入れないいまが、落ち着いて考えられる時間です(相続放棄と、部屋の片付け)。

2見積を頼む会社を、先に探しておく

鍵が戻ってから探し始めると、そこからまた日数がかかります。この段階で問い合わせて構いません。「まだ入れないが、戻り次第すぐ動きたい」と伝えれば、日程を仮で押さえてくれる会社もあります。何を聞けばいいかは依頼から完了までの流れに書きました。

3保険を確認する

賃貸であれば、入居時の家財保険に遺品整理費用や原状回復費用の補償が付いていることがあります3。証券を探しておいてください。

4貸主・管理会社に連絡する

賃貸なら、状況を早めに伝えておくほうが後の話が進みます。貸主の側でも、いつ何ができるようになるかを知っておく必要があります(次の募集までの時間表)。

5探してほしい物を、書き出しておく

通帳、権利証、保険証券、写真、貴重品。作業に入る前に伝えておけば、工程に組み込んでもらえます。始まってからでは間に合わないことがあります。

しないほうがよいこと

  • 合鍵で入らない。「少しだけ」でも避けてください。手続きが済んでいない段階で室内の物を動かすと、後から確認が必要になったときに困ります
  • 近隣に説明を急がない。お気持ちは分かりますが、まだ何も確定していない段階です。においなどで実際に困っておられる方がいる場合の対応は隣の部屋で亡くなった方がいたときに書きました
  • その場で契約しない。この時期に訪問を受けて契約してしまう例があります。訪問販売にあたる場合、法定書面を受け取った日から8日以内であれば解除できます4契約したあとの8日間

ご自身を責めないでください

この時期に「もっと早く気づいていれば」と考えてしまう方が多くいらっしゃいます。

警察庁の集計では、令和7年に自宅で亡くなった一人暮らしの方は76,941人でした。発見までの日数で最も多いのは「0〜1日」で28,398人です5。一方で内閣府は、死後8日以上経ってから発見された方を令和7年で22,222人と推計しています6

どちらも、めずらしいことではありません。

よくあるご質問

なぜ「変死」と言われるのですか。事件なのでしょうか

刑事訴訟法229条は、変死者または変死の疑のある死体があるときに検視をしなければならないと定めています。ここでいう「変死」は、亡くなった理由が明らかでないという意味で、事件性があると決まったわけではありません。ご病気で亡くなっていても、医師が診ていなければこの手続きに入ります。1

いつ部屋に入れますか

当サイトでは日数をお答えできません。検視の後、検案だけで終わるのか解剖まで行うのかで変わります。ご担当の警察署に「鍵はいつごろお返しいただけそうですか」と直接お尋ねください。急かしていると受け取られる心配はありません。2

まだ入れませんが、清掃の会社に相談してもいいですか

かまいません。むしろ先に段取りを組んでおくほうが、鍵が戻ってから早く進みます。「まだ入れないが、戻り次第すぐ動きたい」とお伝えください。当サイトでもその段階のご相談をお受けしています。

解剖すると言われました。断れますか

死体解剖保存法7条は、解剖をしようとする者は遺族の承諾を受けなければならないと定めていますが、同条は例外も列挙しています。また同法8条の監察医による解剖は別に定められています。ご自身のケースがどれに当たるかは、説明されている担当の方にお尋ねください。2

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出典

  1. e-Gov法令検索(デジタル庁)「刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第229条(検視)」https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131(2026-08-12取得)
  2. e-Gov法令検索(デジタル庁)「死体解剖保存法(昭和24年法律第204号)第7条・第8条」https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000204(2026-08-12取得)
  3. 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第10回 孤独死現状レポート(2025年12月発行)」https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/kodokusiReport_10th.pdf(2026-08-04取得)
  4. 消費者庁「訪問販売(特定商取引法ガイド)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/(2026-08-04取得)
  5. 警察庁「令和7年中における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について」https://www.npa.go.jp/news/release/2026/20260331001.html(2026-08-04取得)
  6. 内閣府孤独・孤立対策推進室「令和7年孤立死者数の推計について」https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/pdf/r7suikei.pdf(2026-08-04取得)

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