はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

コラム/亡くなった後の実務

年金を受けていた方が亡くなったら止める手続きと、
受け取る手続きは別です。

市区町村に死亡届を出した。それで年金も終わったと思っていたら、偶数月にまた振り込まれていた。通帳を見て、使ってよいのか分からなくなった。そういう段階の方に向けて書きます。

年金には止める手続きと、受け取る手続きの2つがあります。片方だけでは終わりません。日本年金機構の案内と、条文で確かめられる範囲を整理しました。

ノートにペンで書き留める手元

止める手続きと、受け取る手続き

年金を受けていた方が亡くなったとき、必要になる手続きは2つに分かれます。止める側と、受け取る側です。

どちら側か届書の名前中身
止める年金受給権者死亡届(報告書)受給権者が亡くなったことを日本年金機構に届け出るもの1
受け取る未支給年金・未支払給付金請求書亡くなった月分までで、まだ支払われていない分を請求するもの1

日本年金機構は、この2つを1枚にした「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を用意しています1。

未支給年金を受け取れる遺族がいない場合、または未払いの年金が発生しない場合は、「年金受給権者死亡届(報告書)」だけを提出します1。受け取る側の条文の建付けは未支給年金の記事に書きました。このページで扱うのは、止める側と、止めそこねたときに起きることです。

期限は10日、国民年金は14日

期限は制度によって違い、厚生年金のほうは法律の条文に日数が書かれています。

受給権者が死亡したときは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の規定による死亡の届出義務者は、十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

厚生年金保険法 第98条第4項2

国民年金のほうは、法律が厚生労働省令に委ねる形をとっていて3、日数はその省令にあります。

法第百五条第四項の規定による老齢基礎年金の受給権者の死亡の届出は、次に掲げる事項を記載した届書を、当該事実があつた日から十四日以内に、機構に提出することによつて行わなければならない。

国民年金法施行規則 第24条第1項4

日本年金機構の案内も「10日(国民年金は14日)以内」としています5。届書に添えるのは、受給権者の年金証書(添えられないときはその事由書)と、受給権者の死亡を明らかにすることができる書類です4。

これは、市区町村に出す死亡届とは別の手続きです。戸籍法の死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内6。期限のある手続きは一覧に並べています。

省略できるのは、条件を満たしたときです

期限の話をしましたが、そもそも届出が要らない場合があります。日本年金機構は、こう書いています。

日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されている方は、原則として、「年金受給権者死亡届(報告書)」を省略できます。

日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」1

ただし、これで全部が済むわけではありません。同じ機構の年金Q&Aには「ただし、未支給年金の届出などは必要です」とあります5。省略できるのは、止める側の届出だけです。

そして「原則として」の中身は、省令に書かれています。条件は2つです。

1住民基本台帳ネットワークで確認できる方であること

厚生労働大臣が住民基本台帳法第30条の9の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けることができる受給権者であること4,7。これが「マイナンバーが収録されている」の条文上の姿です。

2死亡の日から7日以内に、戸籍法の死亡届を出していること

国民年金法施行規則も厚生年金保険法施行規則も、省略できる場合を「当該受給権者の死亡の日から七日以内に」戸籍法の規定による死亡の届出をした場合、と定めています4,7。

起算日が「知った日」ではありません

戸籍法の死亡届の期限は死亡の事実を知った日から7日以内です6。一方、年金の届出を省略できる条件は受給権者の死亡の日から7日以内と書かれています4,7。起算日がずれています。

発見までに日数がかかった場合、戸籍法の届出そのものは期限内であっても、死亡の日から7日はすでに過ぎていることになります。ご自身のケースで受給権者死亡届が要るかどうかを、当サイトでは判断できません。年金事務所またはねんきんダイヤルにご確認ください。

なぜ「受け取りすぎ」が起きるのか

年金は後払いです。この後払いの仕組みが、そのまま受け取りすぎの原因になります。関係する条文は2つで、国民年金と厚生年金で同じ形をしています。

決まっていること国民年金法厚生年金保険法
いつまでの分か権利が消滅した日の属する月で終る3権利が消滅した月で終る2
いつ支払うか毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の6期に、それぞれの前月までの分3同じ6期に、それぞれその前月分まで2

国民年金法第18条第1項・第3項、厚生年金保険法第36条第1項・第3項。

受け取れるのは亡くなった月分までで、その分は亡くなった後の支払期月に振り込まれます。6月10日に亡くなった場合を当てはめると、こうなります。

支払の月対象になる月分6月10日に亡くなった場合
6月4月分・5月分どちらも生前の分です
8月6月分・7月分6月分は受け取れる分(未支給年金)。7月分は支給されない分

上の2つの条文を当てはめた例です3,2。実際の振込日と金額は年金事務所にご確認ください。

日本年金機構も、亡くなった日より後に振り込まれた年金のうち亡くなった月分までは未支給年金として、生計を同じくしていた遺族が受け取れると案内しています1。裏を返せば、それより後の分は受け取れません。届出が遅れると、この8月の支払が止まらないまま入金されます。

提出が遅れると、年金を多く受け取りすぎることとなり、後でお返しいただく場合があります。年金を受けている方が亡くなったときは、すみやかにご提出ください。

日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」1

年金Q&Aのほうは、もう少し踏み込んでいます。届出が遅れ、亡くなった日の翌日以後に年金を受け取ったときは、その分を後日返すことになる、と書かれています5。

返す分は、受け取る分から差し引かれることがあります

返す分の扱いにも、条文があります。

年金給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以降の分として当該年金給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権……に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該年金給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。

国民年金法 第21条の23

厚生年金保険法にも、同じ内容の条文が置かれています2。受け取りすぎた分と、受け取れる未支給年金は、別々にやりとりせず調整できる建付けです。実際にいくら返すことになるのかは、当サイトでは判断できません。届出のときに年金事務所で確かめてください。

口座を解約していないと、請求後でも入金されることがあります

日本年金機構は、未支給年金の請求をした場合でも、亡くなった方の口座を解約していないと入金される場合があると書いています1。口座の解約等については金融機関に相談するよう案内されています1。

入金があっても、それが受け取ってよい分とは限りません。通帳の記録を残したまま、年金事務所に金額を確かめてください。凍結された口座からいくらまで出せるかは別の記事にまとめています。

受け取る側にも期限があります。国民年金法は、年金給付を受ける権利が支給すべき事由が生じた日から5年で時効により消滅すると定めており3、厚生年金保険法も保険給付を受ける権利を同じ5年としています2。同じ条文は、保険給付の返還を受ける権利も行使できる時から5年としています2。どちら向きの話も、置いておいて片づくものではありません。

実際に、どこへ何を出すか

1提出先は、年金事務所です

年金事務所に郵送で提出します。対面での相談を希望する場合は、予約のうえ年金事務所または街角の年金相談センター(オフィス)へ1。電子申請も可能で、e-Govの電子申請サイトの手続検索から届書名称を選ぶ形です1。

2障害基礎年金・遺族基礎年金だけを受けていた方は、窓口が違います

障害基礎年金、遺族基礎年金のみを受けていた方が亡くなった場合は、市・区役所または町村役場に出します5。死亡届の用紙も、市・区役所または町村役場の国民年金の窓口にあります5。

3共済の期間だけの方は、提出先が共済組合になることがあります

被保険者期間が地方公務員共済組合員期間のみで、地方公務員共済組合から基礎年金の代行払いを受けていた方が亡くなった場合、提出先は加入していた地方公務員共済組合です1。

4年金証書と、死亡を明らかにできる書類を添えます

死亡の届出だけを出す場合の添付は、亡くなった方の年金証書と、死亡の事実を明らかにできる書類(住民票除票、亡くなった日より後に交付された戸籍抄本、市区町村長に提出した死亡診断書等のコピー、死亡届の記載事項証明書のいずれか)1。マイナンバーが収録されている場合、死亡の事実を明らかにできる書類は不要とされています1。

お部屋を片付けるとき、年金証書と、年金から届いた通知の封筒は取り分けておいてください。基礎年金番号と年金コードが分かると、電話での相談が早く済みます。

受け取った未支給年金には、税の話がついてきます

日本年金機構は、亡くなった方の未支給年金が受け取った方の一時所得に該当し、確定申告が必要になる場合があると案内しています。その年分において、その支給金を含む一時所得の金額の合計額が50万円以下である場合は、確定申告は不要とされています1。詳しくは最寄りの税務署にご相談ください1。

受け取る側の手続きは未支給年金の記事に、年金を受け取る前に亡くなった場合の制度は死亡一時金と寡婦年金の記事にあります。

健康保険と介護保険は、また別の届出です。国民健康保険は原則14日以内、介護保険の資格喪失はこちらの記事にまとめています。

この記事の要点

よくあるご質問

市区町村に死亡届を出しました。年金も止まりますか

日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則として年金受給権者死亡届(報告書)を省略できるとされています。ただし省令は、省略できる場合を「当該受給権者の死亡の日から七日以内に」戸籍法の規定による死亡の届出をした場合としています。ご自身のケースで届出が要るかどうかは、年金事務所またはねんきんダイヤルにご確認ください。なお、未支給年金の請求は、いずれにしても別に必要です。1,5,4,7

通帳に年金が入り続けています。使ってしまってよいですか

亡くなった月分までは未支給年金として受け取れる分ですが、それより後の分は返すことになります。どこまでが受け取れる分かは、支払の対象になっている月で決まります。当サイトでは金額を判断できませんので、通帳の記録を残したまま年金事務所に確かめてください。亡くなった方の口座を解約していないと、未支給年金を請求した後でも入金される場合があります。1,5

マイナンバーが収録されているか、どうすれば分かりますか

確認の方法を当サイトではご案内できません。日本年金機構は、不明な点があればねんきんダイヤルまたは年金事務所に問い合わせるよう案内しています。基礎年金番号が分かるものを手元に置いてから電話すると、話が早く進みます。1

年金証書が見つかりません

国民年金法施行規則は、届書に受給権者の年金証書を添えること、そして年金証書を添えることができないときはその事由書を添えることを定めています。書き方は年金事務所で教えてもらえますので、探し続ける前に一度ご相談ください。4

次に読むページ

出典

  1. 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/kyotsu/jukyu/20140731-01.html(2026-08-04取得)
  2. e-Gov法令検索(デジタル庁)「厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第36条(年金の支給期間及び支払期月。権利が消滅した月で終る/毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の6期にそれぞれその前月分まで)・第39条の2(過誤払による返還金債権への充当)・第92条(時効。保険給付を受ける権利は5年、保険給付の返還を受ける権利も5年)・第98条第4項(受給権者が死亡したときは戸籍法の死亡の届出義務者が十日以内に届け出る。ただし書きあり)」https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115(2026-09-05取得)
  3. e-Gov法令検索(デジタル庁)「国民年金法(昭和34年法律第141号)第19条(未支給年金)・第49条(寡婦年金)・第52条の2(死亡一時金)/第18条(年金の支給期間及び支払期月)・第21条の2(過誤払による返還金債権への充当)・第102条(時効)・第105条第4項(死亡の届出)」https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141(2026-08-13取得)
  4. e-Gov法令検索(デジタル庁)「国民年金法施行規則(昭和35年厚生省令第12号)第24条(老齢基礎年金の受給権者の死亡の届出。第1項=当該事実があつた日から十四日以内に機構へ提出/第2項=年金証書(添えられないときは事由書)及び死亡を明らかにすることができる書類を添付/第6項・第7項=法第105条第4項ただし書の厚生労働省令で定める受給権者及び場合=機構保存本人確認情報の提供を受けられる者で、死亡の日から七日以内に戸籍法の規定による死亡の届出をした場合)」https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000100012(2026-09-05取得)
  5. 日本年金機構「年金受給者が亡くなりました。何か手続きは必要ですか。(年金Q&A・受給者本人が死亡したとき。「年金受給権者の死亡届は日本年金機構にマイナンバーが収録されている方につきましては、原則不要です。ただし、未支給年金の届出などは必要です」/死亡届が必要な場合は10日(国民年金は14日)以内/障害基礎年金、遺族基礎年金のみを受けていた方が亡くなった場合は市・区役所または町村役場へ/「届出が遅れ、亡くなった日の翌日以後に年金を受け取ったときは、その分を後日お返しいただくことになります」。更新日2025年11月4日)」https://www.nenkin.go.jp/section/faq/jukyu/jukyushatodoke/kyotsu/shibo/20140421.html(2026-09-05取得)
  6. 法務省「死亡届」https://www.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-4.html(2026-08-04取得)
  7. e-Gov法令検索(デジタル庁)「厚生年金保険法施行規則(昭和29年厚生省令第37号)第41条(老齢厚生年金の受給権者の死亡の届出。第2項=年金証書及び死亡を証する書類を添付/第5項・第6項=法第98条第4項ただし書の厚生労働省令で定める受給権者及び場合=機構保存本人確認情報の提供を受けられる者で、受給権者の死亡の日から七日以内に戸籍法の規定による死亡の届出をした場合)」https://laws.e-gov.go.jp/law/329M50000100037(2026-09-05取得)

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