八事斎場でお願いしたいのですが、今はできませんか
人体の火葬は令和7年3月31日をもって休止しています。工事期間中は港区の第二斎場を利用するよう案内されており、新しい八事斎場の供用開始は令和10年6月からの予定です。ペット等の動物の火葬は、八事斎場で引き続き行われています(受付場所と受付時間が令和7年4月から変わっています)。1,2
コラム/亡くなった後の実務
葬儀社から「八事斎場は使えません」「その日は空いていません」「市外の火葬場になります」と言われた。何かの手違いではないかと思っておられるかもしれません。手違いではなく、市が予定して行っている工事の期間中です。
八事斎場は令和7年3月31日をもって人体火葬を休止し、令和10年5月まで建替え工事が続きます。この記事では、いまの行き先・火葬料の決まり方・市外で火葬したときの半額補助の3つを、名古屋市の公表資料から書きます。補助には期限があります。

まず、事実の確認からです。名古屋市は八事斎場のページに、こう書いています。
令和7年3月31日をもって八事斎場での人体火葬を休止し、老朽化した施設の建替え工事を行っております。工事期間中は、港区にあります「名古屋市立第二斎場」をご利用ください。
名古屋市「八事斎場(人体火葬は休止中です)」1
再整備の期間は令和7年4月から令和10年5月までで、令和10年6月から新しい八事斎場の供用開始を予定しています2。新しい八事斎場は火葬炉24炉・動物炉2炉という計画です2。つまり、いま名古屋市内で人体火葬ができる市立の斎場は、港区の第二斎場だけということになります。
| 用件 | いまの行き先 |
|---|---|
| 人体の火葬 | 名古屋市立第二斎場(港区東茶屋三丁目123番地・052-303-0606)3 |
| ペット等の動物の火葬 | 八事斎場で継続。受付場所と受付時間が令和7年4月から変更1 |
| 八事斎場で火葬した方の火葬証明書 | 八事霊園・斎場管理事務所(052-832-1750)。1通300円1 |
火葬証明書の窓口受付は午前8時45分から午後5時15分まで(1月1日を除く毎日)1。第二斎場で火葬した方の証明書は第二斎場に問い合わせるよう案内されています1。
昔からこの地域に住んでいる方ほど「火葬は八事」と思っておられます。ご親族に説明するときは、市が建替えのために止めているという言い方が、いちばん伝わります。
1か所に集めて足りるのか、という心配は当然だと思います。市は、再整備期間中に限った対策を第二斎場で実施しています2。
この3つで、年間の火葬可能件数がどれだけ増えるかも公表されています。市の計算はこうです2。
第二斎場の火葬炉数は30炉で、うち1炉は予備炉のため1日当たり29炉稼働2。増加分は年間12,296件2。
比べる相手は実績です。令和5年度の火葬件数は八事斎場と第二斎場の合計で28,624件、うち市民が25,796件(90.1%)、市民以外が2,828件(9.9%)でした2。市は「31,668件の火葬枠を設けることから、令和5年度実績の28,624件と比較しても3,000件以上の余裕があります」と説明しています2。
年間で足りることと、その日に取れることは別です
同じページに、こう書かれています。「冬季などの火葬件数が多い時期に予約が取りづらい状況が発生する可能性があるため、市民優先枠を設けます。」2
年間の合計では余裕があっても、亡くなる方が集中する時期に、希望した日の希望した時間が取れるとは限りません。市外の火葬場を案内されたときの補助は、まさにこの場合のために置かれた制度です。
影響は市内だけにとどまりません。長久手市は、市に火葬場がなく近隣の火葬場に頼らざるを得ないとしたうえで、2023年1月1日から12月31日の死亡届受理件数386件のうち58.3%が八事斎場、35%が瀬戸市斎苑で火葬されていたと広報に載せました4。同じ紙面は、八事斎場が4月1日から2028年5月31日まで稼働停止する予定であること、近隣市町の火葬場には住民の火葬待ちを防ぐため市民優先枠の設定を検討している所もあること、火葬場を持たない市町ではこれまでより長く待ち時間が生じたり、比較的空きのある朝早い時間帯や夕方の遅い時間帯に火葬を行う必要が出たりすることを挙げています4。
みよし市も、市民が主に利用する豊田市古瀬間聖苑について「火葬の申し込みが多くなる冬の時期はすでに火葬待ちが発生している状況」として、市内に市単独で火葬場を整備する方針を決め、令和7年7月に基本構想を策定しています5。近隣の市町の火葬場も、同じ時期に混みます。
ここからお金の話です。名古屋市立の斎場の火葬料は、名古屋市民の方と名古屋市民以外の方で額が分かれています3。八事斎場・第二斎場で共通です。
| 種別 | 名古屋市民の方 | 名古屋市民以外の方 |
|---|---|---|
| 大人 | 5,000円 | 70,000円3 |
| 小人(10歳未満) | 2,500円 | 35,000円3 |
| 死産児 | 1,200円 | 16,800円3 |
| 有料休憩室(第二斎場・1室1回) | 4,000円 | 6,000円3 |
| 遺体保管室(1体1日) | 400円 | 600円3 |
名古屋市「市立斎場の使用料金」より。有料休憩室は八事斎場が市民3,000円・市民以外4,500円ですが、人体火葬は休止中です3,1。
では、どちらになるのかを誰が決めるのか。市は判定の材料をはっきり書いています。
「死体火(埋)葬許可証」に記載された死亡者の住所地で、名古屋市民であるかどうかを確認いたします。ただし、死産児の場合は、「死胎火(埋)葬許可証」に記載された死産児の母親の住所地で名古屋市民であるかどうかを確認いたします。
名古屋市「市立斎場の使用料金」3
見るのは許可証に書かれた住所で、これは住民票の住所です。亡くなった場所でも、ご遺族の住所でも、生まれ育った土地でもありません。市は、火葬後に市内住所から市外住所へ訂正があった場合は、使用料金の差額分について追加徴収をお願いすることになる、とも書いています3。後から直ると、差額は請求されます。
ここでつまずく方が出ます。名古屋市に長く住んでいた親が、数年前に市外の施設へ移り、そのとき住民票も施設の住所に移した。名古屋の斎場でお別れをするつもりでいたら、火葬料は市民以外の70,000円だと当日に言われる──許可証に書かれた住所で判定される以上、そういうことが起こります3。
逆の側から見ると、こうなります。市町村によっては、この場合を市内扱いに戻す規定を置いています。弥富市は、火葬場の使用料を市内利用6,000円・市外利用120,000円(12歳以上1体につき)としたうえで、市内利用にあたる人をこう説明しています6。
岐阜県の瑞穂市は、条例の側で組み立てています。火葬場を使おうとする者は市長の許可を受けることとし、死亡時に市民でなかった者については市長がやむを得ないと認める場合に限り承認して許可する、と定めています7。そのうえで使用料の条文に、ただし書きが付きます。
ただし、第4条第2項の規定により使用する場合には、別表に定める使用料の額にそれぞれ100分の500を乗じて得た額を加算して納付しなければならない。
瑞穂市火葬場条例第6条(令和8年4月1日施行)7
別表の使用料は12歳以上の死屍1体につき7,200円です7。100分の500を乗じた額、つまり5倍にあたる36,000円を加算するので、条文どおりに計算すると43,200円になります7。ここで効いているのは住民票の住所ではなく「死亡時に市民だったかどうか」という書き方です。市によって、判定の言葉づかいそのものが違います。
火葬料のために住民票を動かす、という話ではありません
住民票をどこに置くかは、介護保険や医療、選挙人名簿など生活の広い範囲に関わります。火葬料の差だけを見て決めるものではありませんし、どちらがよいかを当サイトが判断することもできません。
親御さんの施設入所を控えている段階でしたら、住所の扱いは施設と、お住まいの区のいきいき支援センター(地域包括支援センター)にご相談ください。相談は無料です8。
すでに亡くなられている段階なら、確かめる先は斎場です。葬儀社に「この方は市民料金ですか、市民以外の料金ですか」と、見積を受け取る前に聞いてください。
八事斎場の再整備期間中に限って、名古屋市は市外火葬場利用料金補助制度を置いています。市の説明はこうです。
八事斎場再整備期間中(令和7年4月から令和10年5月まで)、名古屋市立第二斎場の予約ができなかったために、第二斎場以外の火葬場を利用した場合に、火葬料金の半額を補助します。補助金の申請には、第二斎場の予約ができなかったことの証明書が必要です。
名古屋市「名古屋市市外火葬場利用料金補助制度」9
補助額は火葬された火葬場が定める人体火葬に要する管外料金の半額で、補助対象者は原則、火葬の許可を受けて火葬を行った方(火(埋)葬許可証の申請者の方)です9。支給要件は6つあり、すべて満たす必要があります9。
1死亡日時点で、名古屋市の住民基本台帳に記録されていた
亡くなった方についての要件です9。前の章の「市民かどうか」と、見ているものが同じです。
2第二斎場の予約ができない日に火葬をした
空いている日にあえて市外を選んだ場合は対象になりません9。これを証明するのが、次の章の予約不能証明書です。
3令和7年4月から令和10年5月までに火葬をした
八事斎場の再整備期間と同じです9。
4第二斎場以外の、愛知県内の火葬場で火葬をした
要件は「愛知県内の火葬場」と書かれています9。
5その火葬場が定める管外料金を支払った
管内料金で火葬できた場合は対象外という組み立てです9。
6火葬料金に係る補助金を、他の自治体から受け取っていない
二重取りにならないための要件です9。
補助額は火葬場ごとに決まります。市が公開しているチラシに、愛知県内の火葬場と補助金額の一覧(令和7年4月1日時点)が載っています10。大人の分を抜き出すと、次のような並びです。
| 火葬場 | 所在地 | 管外利用料金(大人) | 補助金額(大人) |
|---|---|---|---|
| 西尾市斎場やすらぎ苑 | 西尾市 | 20,000円 | 10,000円10 |
| 衣浦斎園 | 碧南市 | 30,000円 | 15,000円10 |
| 知多斎場 | 知多市 | 45,000円 | 22,500円10 |
| 一宮市一宮斎場 | 一宮市 | 50,000円 | 25,000円10 |
| 古瀬間聖苑 | 豊田市 | 50,000円 | 25,000円10 |
| 瀬戸市斎苑 | 瀬戸市 | 70,000円 | 35,000円10 |
| 尾張東部聖苑 | 小牧市 | 70,000円 | 35,000円10 |
| 五条川斎苑 | 清須市 | 75,000円 | 37,500円10 |
| 弥富市火葬場 | 弥富市 | 120,000円 | 60,000円10 |
名古屋市「補助金のお知らせチラシ」より抜粋(令和7年4月1日時点)。一覧には県内の火葬場が並び、小人の額も載っています。知北斎場のように時期で額が変わっているものもあるので、実際の額はチラシの原本でご確認ください10。
数字の性格をはっきりさせておきます。半額であって、全額ではありません。たとえば瀬戸市斎苑で火葬した場合、管外料金70,000円のうち35,000円が補助され、35,000円は残ります10。第二斎場で市民として火葬したときの5,000円3と比べると、差は残ったままです。補助は、市外になったことの埋め合わせを半分までする制度です。
この補助でいちばん落としやすいのが期限です。申請期限は原則、火葬された日の翌月の末日9。四十九日より前に来ます。支給予定日は、申請書が提出された日(名古屋市に届いた日)の翌月の末日です9。
必要書類は5点です9。
補助対象者が火葬料金を支払ったことを証する書類(領収書など)の写し9。誰の名前で領収書を切ってもらうかを、支払う前に決めてください。
火葬執行の証明があるものの写しです9。許可証はこのあとも使う場面があるので、手元から離れる前に写しを取ります。
預金通帳の「口座名義人名、金融機関名、支店名、分類、口座番号」が記載してある見開きページのコピーなど9。
第二斎場の予約ができなかったことの証明書です。市は「ご利用される葬祭業者様にご相談ください」と案内しています9。
名古屋市市外火葬場利用料金補助金交付申請書。電子申請の場合は不要です9。
予約不能証明書は、あとから自分では作れません
4の証明書は、第二斎場が取れなかったという事実についての書類です。市の案内は葬祭業者に相談するよう書いており、申請そのものも原則、利用した葬祭業者を通して行うとされています(事情があれば補助対象者が直接申請することも可能)9,10。
ですから、動くのは火葬が済んだあとではありません。市外の火葬場を案内された時点で、葬儀社に「予約不能証明書と補助金の申請もお願いします」と伝えてください。言い忘れたまま四十九日を過ぎると、期限のほうが先に来ます。
申請の方法は3つあります。電子申請、必要書類をメールで送る方法、名古屋市役所健康福祉局環境薬務課あてに郵送または持参する方法です9。制度についての問い合わせ先は、健康福祉局生活衛生部環境薬務課衛生指導担当(052-972-2642)です9。
火葬と補助の話が片付いたら、次は期限のある手続きです。国民健康保険の届出は原則14日以内で、葬祭費の申請も同じ窓口で済ませられます。持ち物は健康保険の届出の記事に、制度の違いは葬祭費と埋葬料の記事にまとめました。お部屋の片付けには法律上の期限がありません。順番としては、期限のあるほうが先です。
人体の火葬は令和7年3月31日をもって休止しています。工事期間中は港区の第二斎場を利用するよう案内されており、新しい八事斎場の供用開始は令和10年6月からの予定です。ペット等の動物の火葬は、八事斎場で引き続き行われています(受付場所と受付時間が令和7年4月から変わっています)。1,2
名古屋市は「死体火(埋)葬許可証」に記載された死亡者の住所地で名古屋市民かどうかを確認する、としています。個別の可否を当サイトで判断することはできませんので、葬儀社を通すか、健康福祉局環境薬務課(052-972-2642)にご確認ください。なお、火葬後に市内住所から市外住所へ訂正があった場合は、差額分の追加徴収をお願いすることになる、とも案内されています。3,9
要件は6つあり、そのうちに「第二斎場以外の愛知県内の火葬場で火葬をした」「第二斎場の予約ができない日に火葬をした」「その火葬場が定める管外料金を支払った」が入っています。県外の火葬場や、第二斎場が空いている日にあえて市外を選んだ場合は、要件に当てはまりません。補助額は火葬場ごとに決まっていて、市のチラシに一覧が載っています。9,10
市の案内は「原則、火葬された日の翌月の末日」としています。「原則」と書かれている以上、過ぎた場合の扱いは市の判断になり、当サイトでは可否を判断できません。気づいた時点で、健康福祉局環境薬務課(052-972-2642)にご相談ください。9
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