はじめての特殊清掃亡くなった後の部屋を、最初に任せる一社を。

コラム/亡くなった後の実務

血液・体液の汚染はどう処理する?分かれ目は、
「表面で止まっているか」です。

血液や体液の汚染は、布団・畳・カーペットの表面で止まっているか、床材の下や壁の下地まで染みているかで、作業の範囲と費用が変わります。日数が経つほど、下へ進みます。

このページは、会社が実際に何をするのか、見積にどんな行が並ぶのか、汚れた物をどう捨てるのか、そしてご自身で触れてはいけない理由を、順に書きます。

床や壁に残る臭いの確認を表すイラスト

汚染は、上から下へ進みます

亡くなった場所の下にある物から、順に染みていきます。布団やマットレス、畳やカーペット、その下の床材、さらに下地と床下です。ブルークリーンは費用の変動要因として「汚染の深さ(床下・壁下地への浸透)」を挙げ1、リスクベネフィットは「遺体が長く放置されている場合は清掃費用が高くなる」としています2。

  1. 発見から数日表面の清掃・消毒
  2. 1〜2週間床材の撤去・消臭処理
  3. 1か月以上下地・壁の内側・害虫の対応
  4. 数か月躯体の処理・原状回復・リフォーム
経過した日数が長いほど、手を入れる範囲は表面から建物の内側へ広がります。金額は部屋の状態によって変わるため、当サイトでは相場としての数字を出していません。

表面で止まっていれば、汚染物の撤去と洗浄・消毒・消臭で済みます。床下まで達していれば、床材を剥がし、下地を処理する行が加わります。どちらかは、見てもらわないと分かりません。写真でおおよその見当はつきますが、床材の下は剥がして初めて分かることがあります。

会社が行う作業の順番

各社の公式サイトで確認できる作業は、おおむね次の順です3,4,5。

  1. 防護と作業前の消毒。作業者が防護し、消毒から始めます(消毒と除菌の違い)。
  2. 汚染物の撤去。布団・畳・カーペットなど、染みた物を袋に入れて運び出します。
  3. 洗浄。残った汚れを落とします。表面で止まっているか、剥がす必要があるかの分かれ目です。
  4. 床材・下地の処理。達していれば床材を撤去し、下地を消毒・防臭処理します。
  5. 消臭。薬剤やオゾン脱臭を、臭いの残り方に応じて複数回(オゾン脱臭の安全性)。
  6. 復旧。床材の張替えなどを、自社で行う会社と提携先に引き継ぐ会社があります。

会社によって順番や呼び方は違いますが、「撤去→洗浄→消毒→消臭→復旧」の骨組みは共通です(特殊清掃の作業工程と確認点)。

見積に並ぶ行と、単価の幅

当サイトが料金表を公開している全国22社から集計した、作業別の単価の幅です。血液・体液の汚染に関わる行だけ抜き出します。

行幅立つ条件
汚損箇所の除去・清掃3万〜10万円必ず立つ
汚染した布団・マットレスの撤去5,000〜18,000円寝具の上で亡くなった場合
汚染した畳の撤去(1枚)2,500〜11,000円和室。枚数で変わる
消臭剤・除菌剤の散布1万〜3.5万円必ず立つ
床材・壁材の撤去3万〜15万円床材の下まで達している場合
床下の消毒・防臭処理2.5万〜20万円下地・床下まで達している場合

総額の違いは、ほぼ「床材の下まで達しているか」で決まります。作業別の料金表を公開している会社もあり6、見積書が「一式」で来たら行に分けてもらってください(「一式」の見積書、作業別の料金表)。

汚れた物は、どう捨てるのか

「血液が付いた物は特別な廃棄物ではないか」と心配される方が多いのですが、線引きは物ではなく、出た場所で決まっています。廃棄物処理法施行令が感染性廃棄物の生じる施設として挙げるのは病院・診療所などの施設で7、一般の住宅から出る物は家庭の廃棄物として扱われます。

ただし、家庭から出た廃棄物を業として運ぶには市町村の許可が要ります8。清掃会社が汚染物を運び出すとき、自社の許可で運ぶのか、提携の許可業者が運ぶのかを確かめます。在宅医療をされていた場合の注射針などは別の扱いで、環境省の手引きがあります9(体液が付いた畳や布団は特別な廃棄物か)。

ご自身で触れないでください

血液や体液には、感染の原因になるものが含まれていることがあります。特殊清掃の業界団体が、二次感染の予防を理念に掲げているのはそのためです10。会社は防護したうえで作業に入ります。

鍵が戻った日にしないこと

汚染した布団や畳を素手で動かす、拭く、洗うことはしないでください。写真を撮るだけにして、2〜3社に見積を頼みます。やむを得ず触れた場合は、すぐに流水で洗い、体調に変化があれば医療機関に相談してください。

片付けそのものは自由ですが、汚染が床下まで達していると表面の清掃では止まりません。ご自身でやる場合に先に知っておくことは自分で片付けようと思っている方へに分けて書きました。

よくあるご質問

血液が付いた畳や布団は、普通のごみとして出せますか

感染性廃棄物の線引きは出た場所で決まっていて、一般の住宅から出る物は家庭の廃棄物です。ただし、業として運ぶには市町村の許可が要るので、清掃会社が運ぶ場合はその許可を確かめます。ご自身で市の収集に出す場合は、市のルールに従ってください。7,8

床下まで達しているかは、どうやって分かりますか

現地で床材の状態を見て判断し、必要なら床材を剥がして確かめます。写真でおおよその見当はつきますが、床材の下は剥がして初めて分かることがあります。見積に「床下の確認」や「床材の撤去」の行があるかを見てください。1

消毒だけで済ませることはできますか

汚染が表面で止まっていれば、汚染物の撤去と洗浄・消毒・消臭で済むことがあります。床材の下まで達している場合は、消毒だけでは臭いの元が残り、戻ります。どちらかは現地確認で決まります。

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出典

  1. ブルークリーン株式会社「特殊清掃の料金・費用(パッケージプラン参考価格)」https://b-clean.jp/owned/fee/(2026-08-04取得)
  2. 株式会社リスクベネフィット「特殊清掃の料金実例」https://www.riskbenefit.co.jp/topics/tokusyuseisou/503.html(2026-08-04取得)
  3. 株式会社クリーンエステート「公式サイト(施工内容・基本料金・作業事例の時間・消臭保証)」https://clean-estate.co.jp/(2026-09-15取得)
  4. 株式会社プログレス「愛知県の特殊清掃(洗浄範囲・消臭回数・作業別料金)」https://www.tokusyuseisou-progress.com/aichi/(2026-09-15取得)
  5. 有限会社カスミサービス「特殊清掃(汚染物の除去・消毒・オゾン消臭・提携リフォーム)」https://kasumi-ihin.jp/(2026-09-15取得)
  6. マインドカンパニー「特殊清掃 作業別料金表」https://www.mind-company.jp/body/price(2026-08-04取得)
  7. e-Gov法令検索(昭和46年政令第300号)「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(第1条第8号 特別管理一般廃棄物/別表第一の四の項 感染性廃棄物が生じる施設=病院・診療所・オンライン診療受診施設・衛生検査所・介護老人保健施設・介護医療院ほか)」https://laws.e-gov.go.jp/law/346CO0000000300(2026-08-18取得)
  8. 法務省 日本法令外国語訳データベースシステム「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第2条・第7条)」https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/4529(2026-08-04取得)
  9. 環境省「在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き(平成20年3月・在宅医療廃棄物の処理の在り方検討会)」https://www.env.go.jp/recycle/misc/gl_tmwh/index.html(2026-08-18取得)
  10. 一般社団法人事件現場特殊清掃センター(遺品整理士認定協会 発行)「日本初の『事件現場特殊清掃士養成講座』が3月4日よりスタート(プレスリリース・2013年3月4日)」https://www.value-press.com/pressrelease/108000(2026-10-29取得)

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